研究概要 |
マウス繊維芽細胞にG418ネオマイシン耐性遺伝子を形質転換し、当該遺伝子がHC21相同MC16上に導入されたクローンを同定・単離した。そのクローンとマウスA9細胞を融合させたハイブリッド細胞を作製し、同細胞をマイクロセル(微小核)化した。これらをDT40細胞に導入したものをG418添加培地で培養することにより、ネオマイシン耐性クローン(すなわちHC21相同MC16を有するDT40クローン)を選択した。得られたクローンにおいて、不要な領域を挟んでloxPサイトを2カ所に導入したうえでcre-recombinaseを働かせることにより欠失を導入し、HC21相同MC16部分セグメントのみを有する染色体(Ts1Cjeセグメント相当)をDT40細胞内にて作出した。これを再びマイクロセル化し、CHO細胞に導入してG418でスクリーニングした。今後は、得られたHC21相同MC16部分セグメントを有するCHO細胞を再びマイクロセル化し、マウスES細胞に導入後、G418でスクリーニングすることにより、当該セグメントを部分トリソミーで有するES細胞を得る。これを用いてマウスを作製する予定である。また引き続きTs2Cjeトリソミーセグメントに相同な領域を持つMMU16も確立する。更に、これらセグメントを有するDT40とCHO細胞との融合、微小核作成とそのES細胞への導入を経てマウス作成まで至ることを目指す。同時にDscam,Dyrk 1 aなど2~3の候補遺伝子についてノックアウトしたセグメントを持つDT40細胞およびマウスも並行して用意する。これらはダウン症責任遺伝子同定の為の強力なツールとなる。
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