研究課題/領域番号 |
22390080
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山本 友子 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (60110342)
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研究分担者 |
高屋 明子 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (80334217)
佐藤 慶冶 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (00554586)
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キーワード | エフェクター / サルモネラ / 感染 / 宿主応答 / 自然免疫 |
研究概要 |
サルモネラ感染後の宿主高次機能の多岐にわたる変化は、未だ同定されていない多数の病原分子(エフェクター)と標的分子の存在を強く示唆している。本研究は申請者らが開発したインフォマティクス支援インタラクトームによってリスト化したエフェクター候補を基軸として、サルモネラ病原戦略と宿主応答の分子機構を解明することを目的としている。本年度は下記の研究成果を得た。 (1)新規エフェクター候補分子の機能解析 平成22年度新たに同定された新規エフェクター候補12遺伝子産物について、Cya-translational fusion systemを用いてエフェクター(宿主細胞への輸送)の可能性を検討した。その結果。6種の新規蛋白質がマクロファージ細胞質へ輸送されるエフェクターであることが明らかとなった。さらにこれらのエフェクター候補分子の細胞内局在を共焦点顕微鏡観察により検討した結果、現在までにSTM1239がサルモネラ感染マクロファージの細胞質に存在することが明らかとなった。他の候補分子についても同様の解析に取り組んでいる。 (2)新規エフェクターGogA、GtgA2の宿主細胞内標的分子の同定 GogA、GtgA2は我々の先行研究において、サルモネラ感染マクロファージ内でCaspase8活性化を導く新規のエフェクターとして同定されたものである。GogA、GtgA2によるCaspase8活性化機構を解明するためにマクロファージ内標的分子の同定に取り組んできた。今年度はYeast Two Hybrid法を用いて、GogA、GtgA2がRNAヘリカーゼファミリーのDdx50と相互作用をすることを見出した。さらに結合に必要なGogA上のドメインを決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
我々が独自に開発したインフォマティクス支援インタラクトームによって十数種の新規エフェクター候補がリスト化されたが、このなかで今年度までに7種の分子がエフェクターであることがほぼ立証された。このことから、今後の研究の飛躍的な発展が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、サルモネラ感染マクロファージを用いて、エフェクター候補分子の機能を感染生物学的観点から研究を推進していく。
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