研究課題/領域番号 |
22390090
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
岡本 宏明 自治医科大学, 医学部, 教授 (30177092)
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研究分担者 |
長嶋 茂雄 自治医科大学, 医学部, 講師 (60433116)
高橋 雅春 自治医科大学, 医学部, 講師 (70326841)
小林 富成 自治医科大学, 医学部, 助教 (00634164)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | E型肝炎ウイルス / 感染培養系 / 感染性cDNAクローン / 感受性細胞 / 吸着 / 細胞レセプター候補分子 |
研究概要 |
E型肝炎ウイルス(HEV)の培養系は、2007年に研究代表者らによって初めて確立されたが、HEVの細胞への吸着や侵入の機構は全く分かっていない。そこで、感染の初期過程に関与するレセプター候補分子の探索を目的とした。 株化肝細胞の中で、野生株HEVはPLC/PRF/5細胞でのみ増殖しえたが、馴化HEVはHepG2及びHuh7細胞においても効率良く増殖した。一方、SK-HEP-1細胞では馴化HEVも増殖しなかった。そこで、PLC/PRF/5細胞を許容細胞株、SK-HEP-1細胞を非許容細胞株とし、両細胞株のcDNAライブラリーを作製した。PLC/PRF/5細胞で発現レベルが高い遺伝子のみが濃縮されたPLC/PRF/5サブトラクトcDNAライブラリーを作製してHEVレセプターを発現していると思われる細胞の分離を試みたが、候補分子の同定には至らなかった。Virus overlay protein binding assay法を用いてHEV粒子と結合する膜蛋白質の検出を試みたが、特異的な実験系の確立が困難であった。そこで、共免疫沈降法ならびに質量分析により、HEV粒子と結合する感受性細胞 (PLC/PRF/5とA549) 由来の膜蛋白質を3種類 (cartilage intermediate layer protein 2、 Laminin alpha 2、cyclin G-associated kinase) 同定した。種々の検討の結果、同定された膜蛋白質がレセプターとして主体的な働きをしている可能性は低いことが示唆されたが、世界的にもHEVの細胞レセプター分子は未だ同定されておらず、本研究を通じて感染系を発展させ、許容・非許容細胞を特定し、HEV粒子の形態の違いに対応する2種類の吸着・侵入機構の存在を示唆する知見を得ることができたことは、今後の更なる挑戦に資する成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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