研究概要 |
◆生細胞におけるHIV Gag/GagPol蛋白の分子イメージング 生細胞におけるGag-StrawberryとGagPol-GFPの分子動態を観察し、以下の結果を得た。 1.Gag-Strawberry単独発現では、3つの異なる細胞内動態(confined(ほとんど動かないもの);diffusive(ある範囲内で往来するもの);linear(長距離移動するもの))が観察され、それの割合は30%,45%,25%であった。形質膜への集積が観察された。 2.linearは微小管に沿った輸送であった。 3.GagPol-GFP単独発現では、ほとんどがconfinedであり、形質膜への集積も極めて少なかった。 4.GagPol-GFPとGag-Strawberryを共発現させるとconfinedが減少し、diffusiveとlinearが増加した。それらではGagとGagPolが共局在した。細胞内輸送とGagPolとの相互作用を制御する領域を明らかにする目的で、Gagのtruncationおよびdomain deletion変異体を作製した。 ◆HIV成熟機構の解析 GagPol蛋白のPol領域内に存在するプロテアーゼは、GagPol(前駆体)蛋白の二量体化により触媒活性をもつ二量体の成熟プロテアーゼとなる(HIVの成熟)。この細胞質内部位を特定する目的で、Gag/GagPol-GFPとGag/GagPol-Strawberryを用いたFRET法と成熟蛋白の特異的検出を行い、以下の結果を得た。 1.GagPol二量体化は形質膜のGag/GagPol集積部位で観察された。 2.成熟蛋白もその形質膜集積部位に局在した。
|