研究課題
HIV粒子形成の解析は、カプシド蛋白であるGag蛋白を追跡することで調べられてきた。本研究課題では、感染性の粒子形成を理解するため、感染性の本体である複製コンポーネント(ゲノムRNAと転写・複製酵素Pol蛋白)の細胞内輸送を生細胞分子イメージングでリアルタイムに解析した。◆Gag/GagPol蛋白の輸送経路の特定GagPol蛋白をEGFP、Gag蛋白をStrawberryで標識し解析したところ、GagPol蛋白はGag蛋白と複合体を形成すること、3つの異なる動態を遷移すること(confined(ほとんど動かないもの)→ diffusive(ある範囲内で往来するもの)→linear(長距離移動するもの。微小管系輸送と解明済み))が判明した。ノコダゾールで微小管を脱重合させたところ、linearが消失しdiffusiveが増加した。linearは輸送小胞の微小管系輸送と考えられた。diffusiveとlinearは、Rab7, 9, 10. 11やSNARE蛋白質と部分的に共局在しながら、動的に動いた。◆HIVゲノムRNAのパッケージングパッケージング配列φ部位をもつゲノムRNAはGag/GagPol蛋白と複合体を形成したが、φ部位を欠損させたRNAの場合には複合体を形成しなかった。φ部位欠損の場合のGag/GagPol蛋白複合体ではlinearが顕著に減少し、微小管系輸送が抑制されることが判明した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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