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2010 年度 実績報告書

B細胞の親和性選択と記憶形成・維持の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 22390097
研究機関東京理科大学

研究代表者

北村 大介  東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (70204914)

キーワード免疫学的記憶 / B細胞 / 胚中心 / 親和性成熟 / 免疫応答
研究概要

胚中心(GC)において抗原に高い親和性をもつB細胞が選択されて記憶B細胞や長期生存プラズマ(LLP)細胞に分化する機構を解明するために、CD40LとBAFFを発現する繊維芽細胞(40LB)をフィーダーとし、ナイーブB細胞からクラススイッチしたGC様(induced GC : iG)B細胞を著しく増殖させる培養系を作成した。最初にIL-4で増殖するiGB細胞(iGB-4)はinvivoで記憶様B(iMB)細胞に分化し、次にIL-21でさらに増殖したiGB-21細胞はin vivoでLLP細胞となった。さらに、iGB-21細胞を続けてサイトカイン無添加で培養した細胞(iGB-m)はiMB細胞への分化能を回復した。この系を用いて胚中心において高親和性B細胞が選択される機構、また、記憶B細胞の分化および維持に必要な因子を同定することを目標として研究を行っている。まず、ある時点で胚中心に存在する抗体より親和性の高いBCRを有するB細胞だけがFasシグナル耐性となり選択されるという仮説を証明するために、FasLを発現し、モデル抗原NP-CGGを提示する40LB細胞(40LB-FL-FcYR)を作製した。その上でNP特異的ノックインマウス由来のiGB-21細胞が選択・濃縮される系を確立した。同様に、膜型鶏卵白リゾチーム(mHEL)を細胞表面に発現する40LB-FL-mHEL細胞を作製し、HEL特異的iGB細胞を選択する系も作成した。また、iGB-21細胞に発現せず、iGB-4・iGB-m細胞およびiMB細胞や生理的記憶B細胞に発現する膜蛋白質gp49やその他の遺伝子を見出した。gp49B欠損マウスの免疫応答を解析したところ、記憶B細胞の比率が増加しており、また、T非依存性抗原に対する抗体産生も亢進していた。この結果の意味を理解するために、さらに解析を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] HS1 has a central role in the trafficking and homing of leukemic B cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Scielzo, C.
    • 雑誌名

      Blood

      巻: 116 ページ: 3537-3546

    • 査読あり
  • [雑誌論文] NSC114792, a novel small molecule identified through structure-based computational database screening, selectively inhibits JAK3.2010

    • 著者名/発表者名
      Kim, B.-H.
    • 雑誌名

      Mol.Cancer

      巻: 9 ページ: 36

    • 査読あり
  • [雑誌論文] プレB細胞レセプターシグナルによるL鎖遺伝子再構成の誘導機構2010

    • 著者名/発表者名
      北村大介
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科

      巻: 54 ページ: 1-8

  • [学会発表] B-cell memory generation in induced germinal center B cells.2010

    • 著者名/発表者名
      北村大介
    • 学会等名
      The 2nd Synthetic Immunology Workshop.
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2010-12-17
  • [図書] 生物学辞典2010

    • 著者名/発表者名
      石川統
    • 総ページ数
      1634
    • 出版者
      東京化学同人

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公開日: 2012-07-19  

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