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2011 年度 実績報告書

B細胞の親和性選択と記憶形成・維持の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 22390097
研究機関東京理科大学

研究代表者

北村 大介  東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (70204914)

キーワード免疫学的記憶 / B細胞 / 胚中印 / 親和性成熟 / 免疫応答
研究概要

胚中心(GC)において抗原に高い親和性をもつB細胞が選択されて記憶B細胞や長期生存プラズマ(LLP)細胞に分化する機構を解明するために、CD40LとBAFFを発現するフィーダー細胞40LBを用いたB細胞培養系を用いて研究を進めている。この系では、最初にIL-4で増殖したB細胞(iGB-4)はin vivoで記憶様B(iMB)細胞に分化し、次にIL-21でさらに増殖したB細胞(iGB-21)細胞はin vivoでLLP細胞となる。さらにサイトカイン無添加で培養した細胞(iGB-m)はiMB細胞への分化能を回復する。この系を用いて、iGB-21細胞と比較してiGB-4・iGB-m細胞に高く発現する遺伝子を記憶B細胞分化誘導因子の候補として、それらをレトロウィルスベクターによりiGB-4細胞に過剰発現させたところ、その後のCD138+プラズマ系細胞の増加を抑制し、gp49Bの発現を増強する遺伝子を見出した。また、その中には過剰発現によりin vivoでのiMB細胞形成を促進する遺伝子が存在した。現在、これらの発現をiGB細胞においてノックダウンすると、過剰発現の場合と逆の現象が起こるか検証している。さらに、これらの遺伝子のノックアウトマウスにおける免疫応答を調べる。
GCB細胞の親和性選択のメカニズムを解明するために、膜型鶏卵リゾチームを細胞表面に発現する40LB-mHEL細胞とFasLを発現する40LB-mHEL-FL細胞を作製し、これらを順次用いた培養系で少数混在させた抗HEL-BCRノックインマウスB細胞のみならずC57B1/6マウスB細胞からもHEL結合性B細胞を選択・濃縮することができた。
また、iGB-4・iGB-m細胞およびiMB細胞や生理的記憶B細胞に発現する膜蛋白質gp49Bを見出した。gp49B欠損マウスの免疫応答を解析したところ、1次免疫後のIgM抗体産生が亢進し、

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

胚中心においてある時点で存在する抗体より親和性の高いBCRを有するB細胞だけがFasシグナル耐性となり選択されるという仮説を証明するための研究が当初の予定よりやや遅れている。その理由は、NPを抗原とする系が不安定であったため、抗原をmHELとしてHEL特異的B細胞を選択する系を作り直したからである。また、記憶B細胞誘導因子の候補を同定することはできたが、その機能の検証、特に、siRNAを用いてiGB細胞においてノックダウンを行うことが容易でなく、手間取って

今後の研究の推進方策

上述のHELを抗原とした抗原特異的B細胞選択系を用いて、種々の親和性の抗HEL抗体を用いて親和性選択のメカニズムの解明を進める。記憶B細胞誘導因子の候補については、iGB細胞におけるノックダウンを行い、in vitroおよびiv vivoでの表現型を調べ、さらに候補を絞っていく。さらに、現在導入を進めている候補遺伝子のノックアウトマウスの免疫応答、特に記憶形成について解析する。また、記憶B細胞に選択的に発現している膜受容体についても、同様の手法で、記憶B細胞維持と応答における役割を解明する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Identification of CMTM7 as a Transmembrane Linker of BLNK and the B-cell Receptor2012

    • 著者名/発表者名
      北村大介, 宮崎敦子, 與後沢里美, 他
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 7 ページ: e31829

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0031829

    • 査読あり
  • [雑誌論文] In-vitro derived germinal centre B cells differentially generate memory B or plasma cells in vivo2011

    • 著者名/発表者名
      Nojima, T., Haniuda, K., Moutai, T., Matsudaira, M., Mizokawa, S., Shiratori, I., Azuma, T. and Kitamura, D
    • 雑誌名

      Nat. Commun

      ページ: 2:465

    • DOI

      DOI:10.1038/ncomms1475

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tolerance induction of IgG+ memory B cells by T-cell independent type II antigens2011

    • 著者名/発表者名
      北村大介, 羽生田圭, 野嶋卓也, 大山亨介
    • 雑誌名

      The Journal of Immunology

      巻: 186 ページ: 5620-5628

    • 査読あり
  • [学会発表] gp49B regulates antibody production from margmal zone and memory B cells in the immune responses2011

    • 著者名/発表者名
      北村大介, 深尾紗央里, 羽生田生, 他
    • 学会等名
      第40回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県)
    • 年月日
      2011-11-27
  • [産業財産権] 抗原特異的B細胞集団の製造方法2010

    • 発明者名
      北村大介
    • 権利者名
      東京理科大学
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2010/068868
    • 出願年月日
      2010-10-25
    • 外国

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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