研究課題
致死的な脳虚血に先行して、短時間の非致死的な虚血状態を施行すると神経細胞は脳虚血に対して耐性を形成する。私達は4血管閉塞ラット脳虚血モデルを用いて脳虚血耐性現象の獲得にプロテインキナーゼB(Akt)の活性化が必要であることを明らかにした。本研究では脳虚血後海馬における血流量を7日間に渡って、測定してバナジウム有機錯体VO(OPT)によって誘導される虚血耐性現象の脳血流に対する効果を検討した。4血管閉塞脳虚血施行の3日前にVO(OPT)(25mg(V)/kg)を腹腔内投与して虚血行い、7日間レーザー血流計により海馬での脳血流を測定した。偽手術群に比較して虚血後1日目から血流は低下し、VO(OPT)投与群では3-7日目にかけて有意に脳血流の改善が見られた。さらに、7日目では海馬の血管内皮細胞にエリスロポエチンの誘導が認められた。次に、新規心血管保護薬であるカルモデュリン阻害剤DY-9760eの心不全抑制効果とメカニズムについて検討した。大動脈狭窄モデルマウスに対して術後2週間目から6週間、DY-9760e(10,20mg/kg)を慢性投与した。6週間投与で用量依存性に心肥大は抑制され、心エコーによる心機能測定では、低下した心機能が偽手術群と同程度に改善した。カルモデュリンのターゲットであるジストロフィンの分解と内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)による酸化ストレス障害を解析した結果、心不全に伴うジストロフィン分解とeNOSによるタンパク質ニトロチロシン化反応も心機能改善に一致して、ほぼ完全に抑制された。以上の結果からVO(OPT)による血管保護作用とDY-9760eによる心筋保護作用のメカニズムの一部が解明された。
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