研究課題
アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、筋ジストロフィーなどの神経筋変性疾患では根治治療を目指した治療法は確立していない。研究代表者はこれら神経変性疾患において血管再生を標的としたシーズを開発し、根治治療への応用を検討した。24 年度はアルツハイマー病治療のシーズである ST101 の神経新生促進作用と認知機能改善作用のメカニズムの解明に焦点を絞って解析した。 その結果、1)ST101 の標的分子として、T 型カルシウムチャネルを同定した。2)海馬において ST101 はアセチルコリン遊離を促進し、その作用は T 型カルシウムチャネル阻害薬で抑制されることを見いだした。3)海馬における神経新生促進作用はニコチン性アセチルコリン受容体阻害薬により消失することを確認した。次に ST101 による Abeta 産生抑制機構について解析した。老化促進マウスである SAMP8 ではストレスにより、脳内でのAbeta(1-42) の蓄積が亢進した。ST101 を慢性投与することにより、Abeta(1-42) の蓄積は阻害された。しかしながら、既に報告されている 17 kDaのアミロイド前駆タンパク質の分解産物は検出されなかった。ST101 は米国で臨床治験が継続している。私達は本研究で ST101 よりも活性の強い誘導体 SAK3 を開発した。T 型カルシウムチャネルの活性化作用は ST101 よりも強力であり、認知機能改善効果についても確認した。 SAK3 とその関連薬については国際特許を申請中であり、前臨床試験を開始する予定である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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