研究概要 |
申請者らの発見した新規コレクチン分子CL-P1,CL-K1は、直近の研究により両分子がげっ歯類やヒトで血管内皮細胞と血管平滑筋細胞に存在する事、さらにゼブラフィッシュに血管領域に存在し遺伝子knockdown実験から血管形成に関与する事、またCL-P1 knockoutマウスでは胎生致死を認め、両分子が血管新生や血管構築に深く関与する可能性を推測している。上記実験事実から、血管新生・増殖・損傷に関連して分泌するコレクチン分子や血管内皮細胞増殖因子群に対する抗体を利用して、高感度で且つ、一括して同時測定できるような、血管損傷測定システム開発を目論んでいる。 平成22年度は、主にCL-K1のKOマウスについての研究を進展させできた。つまり、大阪大学遺伝情報研究センターとの共同研究にて、ES細胞へのターゲットベクターの打ち込み、キメラマウスの作成ができ、その後旭川医科大学内でヘテロマウスの作成とKOマウスの作成へと展開できた。 上記の研究進展と、諸外国(アメリカMGH高橋教授、フランスツールス大学Olivier教授)との共同研究が始まり、国内においても、東海大学松下教授、福島県立大学藤田教授の間で共同研究がスタートし、来年度は本科研の研究グループに松下氏が参加することとなった。共同で,CL-K1KOマウスにおける異常形質の解析を行う予定である。 また,CL-K1についての測定法についても、ヒト、マウス,CL-K1ともに樹立のための研究が進んだ。
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