研究課題/領域番号 |
22390113
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
若宮 伸隆 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20210867)
|
研究分担者 |
鈴木 定彦 北海道大学, 人獣共通感染症センター, 教授 (90206540)
吉田 逸朗 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (20041816)
大谷 克城 旭川医科大学, 医学部, 講師 (90396367)
森 健一郎 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70610236)
松下 操 東海大学, 工学部, 教授 (00165812)
|
キーワード | コレクチン / スカベンジャー受容体 / レクチン / 自然免疫 / 血管 |
研究概要 |
申請者らの発見した新規コレクチン分子CL-P1,CL-K1は、直近の研究により両分子がげっ歯類やヒトで血管内皮細胞と血管平滑筋細胞に存在する事、さらにゼブラフィッシュに血管領域に存在し遺伝子knockdown実験から血管形成に関与する事、またCL-P1knockoutマウズでは胎生致死を認め、両分子が血管新生や血管構築に深く関与する可能性を推測している。上記実験事実から、血管新生・増殖・損傷に関連して分泌するコレクチン分子や血管内皮細胞増殖因子群に対する抗体を利用して、高感度で且つ、一括して同時測定できるような、血管損傷測定システム開発を目論んでいる。 平成22年度において、作成できたCL-K1のKOマウスについての表現型の解析を進展させできた。つまり、CL-K1のKOマウスは、表現型では低体重であり、生育不全を認めた。つぎに、マウスにおけるCL-K1の発現解析のための、マウスCL-K1発現系の作成と、抗体作成を行った。一方、ヒトCL-K1の抗体作成が成功し、高感度測定システムを開発し、論文発表した[成果]。一方、CL-P1KOマウスでは胎生致死の再確認を行い、胎生期のいつ致死に至る研究が進んでいる。さらに、CL-P1TGマウスの作成が終了し、TG発現による発現を組織染色による解析を行った。諸外国(アメリカMGH高橋教授、フランスツールス大学Olivier教授)との共同研究が本格的に進展し、CL-K1のヒト測定の解析をアメリカ、フランスにて行っている。国内においては、東海大学松下教授、福島県立大学遠藤准教授の間の共同研究で、ヒト、マウスCL-K1の生物学的解析を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1.世界で初めてCL-K1のKOマウスの作成に成功した。 2.世界で初めてCL-K1測定系の樹立に成功し、ヒトCL-K1の正常値を明らかにした。
|
今後の研究の推進方策 |
1.上記の成果にある、ヒトCL-K1血中濃度測定系を用いて、血管障害等にかかわりがあると推測される血管関連疾患についての疫学研究を国内や国外において、さらに積極的に進める[一部研究においては、旭川医科大学内は臨床研究にかかる倫理委員会で承認済み] 2.最終年度では、MBL,CL-K1,血管増殖因子測定系を組み合わせて、同時に一度で測定できる分析測定システムを組み上げ、上記で探索している疾患において検討を行う予定にしている。
|