研究概要 |
48匹のF344ラットを12匹ずつ4群に分け、1-ブロモプロパンに0,400,800 and 1000ppmの濃度で1日8時間暴露した。実験終了時に、1群9匹のラットを断頭し、脳海馬と小脳を取り出した。脳部位からmRNAを抽出し、定量リアルタイムPCR法にて、glial fibrillary acidic protein (GFAP), myelin basic protein (MBP), oligodendrocyte lineage gene 2 (OLIG2), myelin olygodendrocyte glycoprotein (Mog), chondroitin sulfate proteoglycan 4 (NG2), interleukin 11 receptor α (IL 11rα), caspase 3 (CASP3) and tumor necrosis factor α (TNFA)のmRNA発現を調べた。1群あたり3匹のラットを4%パラホルムアルデヒド燐酸緩衝液にて灌流固定した。凍結切片を作成し、免疫組織化学によってGEAP, MBP、oligodendrocyte marker O4の局在を調べた。小脳においてMBP, MOG, NG2, TNFA、OLIG2のmRNAレベルが有意に減少した。一方GFAPのmRNAレベルは1000ppmで増加した。GFAP免疫染色は、1000ppm群において、グリア突起を含むアストロサイトにおいて発現が上昇し、アストログリア活性化が確認された。Oligodendrocyte marker O4 antigenの発現は、1000ppm群において減少した。本研究は、GFAPとO4が1-プロモプロパン曝露影響のメカニズムとも関連した優れたマーカーであることを示唆した。
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