研究課題/領域番号 |
22390120
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
市原 学 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90252238)
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研究分担者 |
豊國 伸哉 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90252460)
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キーワード | ブロモプロパン / 中枢神経毒性 / プロテオミクス / 二次元電気泳動 |
研究概要 |
F344ラットを1-ブロモプロパンに一日8時間、週7日、1週間および4週間、名古屋大学医学部動物実験施設に設置された小動物用吸入曝露装置を用いて吸入曝露を行った。曝露終了後、断頭し、海馬を剖出し、液体窒素にて急速凍結した。海馬をプロテアーゼ阻害剤入り緩衝液中でホモゲナイズした試料を2次元電気泳動にて分離後、スポットを切り出しmatrix-assisted laser-desorption ionization time-of-flight mass spectrometry (MALDI-TOF/MS)解析を行った。ウェスタンブロットにより蛋白の変化を確認した。2次元電気泳動では26の蛋白が同定された。1週、4週曝露の両方で変化があり、少なくともひとつの曝露濃度で非曝露群に比して優位な差が認められる蛋白を選択した。26の蛋白のうち、19の蛋白がMALDI-TOFMSによって同定された。回帰分析により、1週、4週曝露の両方で曝露量依存的に変化した8つの蛋白を最終的に選定し、ウェスタンブロットで確認した。核細胞質トランスポート、免疫防御、エネルギー代謝、ユビキチン化ープロテアゾーム経路、神経伝達物質、プリン代謝にかかわる蛋白が変化していた。まとめると本研究の結果、1-ブロモプロパン曝露による海馬への障害には、酸化ストレス、ATP産生の喪失、神経伝達物質機能不全、ユウビキチン化ープロテアゾーム系の阻害が関与していることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遅れていたが、多くの学生の協力を得て研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
繰越申請した予算を有効に用いるとともに、課題に関わる人材を増やし、遅れをとりもどす。
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