研究課題/領域番号 |
22390123
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大平 哲也 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50448031)
|
研究分担者 |
北村 明彦 (財)大阪府保健医療財団大阪府立健康科学センター, 健康開発部, 部長 (80450922)
山岸 良匡 筑波大学, 医学系研究科, 講師 (20375504)
磯 博康 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50223053)
|
キーワード | 予防医学 / 高血圧 / 疫学 / 危険因子 |
研究概要 |
研究目的:長期間疫学研究を実施している地域住民・大阪職域従業員を対象として、1980年代、1990年代、2000年代の3期に分けたコホートにより、高血圧と身体・心理(行動)・社会的因子、および生活習慣との関連を下記の3つのテーマに沿って横断・縦断研究によって分析することを目的とした。方法と結果:研究1)地域住民における高血圧と生活習慣・身体的因子との関連の時代変遷についての研究: 秋田、茨城、大阪、高知の地域住民の健診結果を1980年から2005年にかけて分析した結果、女性では、最大・最小血圧値がともに1980年代から2000年代にかけて低下傾向を示したのに対し、男性では最小血圧値が1990年代から2000年代にかけて上昇傾向を示し、高血圧の頻度も多くなってきた。女性では1980年代から2000年代にかけて、肥満者の頻度が少なくなってきたのに対し、男性では肥満者の割合、肥満度の平均値ともに上昇傾向がみられ、このことが血圧レベルの上昇に関与している可能性が示唆された。研究2)地域、職域における高血圧と心理・社会的因子との関連の時代的変遷についての研究: 1990年代の地域住民および職域を対象として、自覚的ストレス、怒り、不安、睡眠時間等の因子と高血圧発症との関連を縦断的に検討した結果、特に怒りを内にためることが将来の高血圧発症のリスクの上昇と関連した。また、睡眠時間と高血圧発症との関連はU字カーブを示し、睡眠時間が極端に少ないことも多いことも高血圧のリスクの上昇と関連していた。研究3)地域における家庭血圧と生活習慣および身体・心理・社会的因子との関連についての研究: 秋田県、大阪府の地域住民男女930人に対して家庭血圧測定を実施した結果、全体の約20~30%に健診時は正常でも家庭でのみ血圧が上昇する隠れ高血年が認められた。特に起床時の隠れ高血圧には肥満や睡眠障害が関連することが示唆された。
|