研究課題
老化促進マウス(senescence-accelerated-prone mouse: SAMP10)8週齢に野生型(C57BL/6)の骨髄を移植し、対照(非移植)と運動介入(25週齢より)、非介入の2群を作成し、運動耐用能、40週齢で筋肉重量、組織生化学的解析を実施した。GFPマウスを使用した移植実験では骨髄移植群では骨髄由来細胞は下肢骨格筋細胞の20%前後を占め、特に運動介入群で有意にその割合が多かったが、移植群では対照群に比較し低体重であった。運動介入群では有意に持久力を認め、移植群ではより早期に運動介入の効果を認めた。移植群では運動介入群で有意に握力が強く、体重で補正した筋肉重量は腓腹筋、足底筋で移植群で高値であった。運動介入により骨格筋のタンパク分解に係るユビキチンリガーゼであるAtrogen, MuRFの発現が低下していた。また運動介入により下肢骨格筋におけるミトコンドリア量が著しく増加していた。運動介入した群では非介入群に比較し、下肢骨格筋でAkt, ERK-1/2、mTOR、FoxO-1、FoxO-3のリン酸化、insulin receptor subtrate-1の発現、抗アポトーシスタンパク質であるBcl-2、Bcl-XLの発現が亢進していたが、逆にアポトーシス誘導に関連するcaspase-8, caspase-9の発現は低下していた。結論:骨髄由来幹細胞の一部は骨格筋に分化することが明らかとなった。SAMP10におけるサルコペニアの一部は骨髄を野生型に置換することにより、改善させることができ、サルコペニアの原因の一部は骨髄細胞の老化が関連している可能性が示唆された。また、運動介入は筋タンパク分解系を抑制し、ミトコンドリアを活性化し、サルコペニアを予防できる可能性が示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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