研究課題
老化による不可逆的組織傷害の治療を行うため、老化マウスからiPS細胞を確立した(Aged-iPSCs)。本年度はAged-iPSCs由来キメラマウスを作成し、Aged-iPSCsが生体に戻した時すぐに老化するか、あるいは若いマウスと同様に正常の老化過程をとるかを検討した。ICRマウスの受精卵と混合し、偽妊娠ICRマウスの子宮に戻した。Aged-iPSCsはGFPマウスから作成したため、GFP陽性細胞がどの割合でキメラを作成しているかが判定できた。皮膚はAged-iPSCsは黒いB6由来のため白いICRと目で区別できた。生まれた直後の心臓でキメラ率が高いマウスの老化指標 p53,p16を測定した所、p16発現は新生児程度、p53は2ヶ月齢程度であり、明らかに16ヶ月齢の心臓よりも値が低かった。このことから老化個体からiPS細胞を作成すると若返る可能性があり、再生に使えると思われる。また、PA6上にAged-iPS細胞を培養し、神経堤細胞に分化させたものを、B6で作成したストレプトゾシン誘発糖尿病マウスに移入する実験を行った。Aged-iPS細胞は神経堤細胞に分化し、移植後B6 マウス内で生存が確かめられた。また、糖尿病性下肢神経障害が改善された。一方私たちはGADD34遺伝子欠損マウスを解析しているが、このマウスが老化に伴って、ミエロ系前駆細胞分化が進むことが明らかになった。このメカニズムを知るため、WTマウスとGADD34遺伝子欠損マウスにブドウ球菌を投与して、骨髄のミエロ系前駆細胞を分化させたところ、G-CSF受容体にGADD34が作用し、ミエロ系への分化を抑制していることが明らかになった。多くの老化関連疾患がミエロ系細胞の浸潤で説明できるためGADD34の働きは重要である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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