研究課題/領域番号 |
22390145
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森下 竜一 大阪大学, 医学系研究科, 寄付講座教授 (40291439)
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研究分担者 |
里 直行 大阪大学, 医学系研究科, 寄付講座准教授 (70372612)
島村 宗尚 大阪大学, 医学系研究科, 寄付講座准教授 (60422317)
内尾 こずえ 独立行政法人医薬基盤研究所, 生物資源研究部, 研究員 (70373397)
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キーワード | アルツハイマー病 / 糖尿病 / ベータ・アミロイド / 脳血管 |
研究概要 |
我々は糖尿病合併アルツハイマー病マウスの血管病変を解析した。血管を単離し、ベータ・アミロイドに対する抗体で免疫染色を行ったところ、糖尿病合併アルツハイマー病マウスにおいて従来のアルツハイマー病マウスに比し、脳血管へのベータ・アミロイド沈着が顕著であった。この変化は動脈~細動脈~毛細血管において認められた。これらの脳血管へのベータ・アミロイド沈着は6か月以降に顕著であった。我々はこれらのマウスの行動実験においてより早期(8週齢)より認知機能障害を認めていたので、この時期における血管の変化を検討した。我々は糖尿病において血管に蓄積してくる最終糖化産物(Advanced glycation endoproducts : AGE)に対するReceptorであるRAGEに着目し、このRAGEに対する抗体を用いて免疫染色したところ、糖尿病合併アルツハイマー病マウスにおいて、正常マウス、糖尿病マウス、アルツハイマー病マウスに比し、脳血管へのベータ・アミロイド沈着が顕著であった。RAGEはイムノグロブリン・スーパーファミリーに属し、炎症を惹起させることが知られている。脳組織を炎症性サイトカインであるIL-6やTNF-αに対する抗体を用いて検討したところ糖尿病合併アルツハイマー病マウスにおいて、正常マウス、糖尿病マウス、アルツハイマー病マウスに比し、脳血管周囲において免疫原性が増加しており、炎症が惹起されていることが示唆された。次年度はさらに血管をターゲットとした薬剤介入により糖尿病合併アルツハイマー病マウスにおける認知機能の改善を検討する。
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