研究課題/領域番号 |
22390145
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森下 竜一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40291439)
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研究分担者 |
島村 宗尚 大阪大学, その他の研究科, 准教授 (60422317)
里 直行 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70372612)
内尾 こずえ 独立行政法人医薬基盤研究所, その他部局等, 研究員 (70373397)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 脳血管 / 血液脳関門 / ベータ・アミロイド / 認知機能 |
研究概要 |
超高齢化社会を迎える現代社会にとって、アルツハイマー病は解決の待たれる疾患であり、ADの原因と仮定されているベータ・アミロイドのワクチンや産生酵素阻害剤を中心に開発されている。しかしながら、重篤な副作用の懸念もあり、別のアプローチによる新規予防・治療法の開発が求められている。近年、疫学的な諸調査により、糖尿病・高血圧といったアルツハイマー病危険因子、非ステロイド性抗炎症薬やスタチン使用などのアルツハイマー病発症抑制因子などが注目されるに至り、血管因子というものが最注目されることになり、血管からみたアルツハイマー病新規治療薬の探索を行っている。 本年度はアルツハイマー病モデルマウスにリポ・ポリサッカライド(LPS)を腹腔に投与し、全身に炎症を惹起すると、脳内マイクロダイアリシスで測定した炎症性サイトカイン(IL-6、TNFα)が未投与時よりもさらに増幅することを見出している (Takeda, et al. Neurobiology of Aging, in press)。これはアルツハイマー病モデル動物において血管に炎症を惹起するとその炎症が脳内へと波及することを示しており、その一因としてアルツハイマー病モデルマウスにおける血液脳関門の破綻を示した。また、アルツハイマー病症例の脳血管の微細構造を電子顕微鏡で解析し、血管内皮細胞間のタイト・ジャンクションの電子密度の低下と細胞-細胞間接着の減弱を示した。これらのデータはいずれもアルツハイマー病における血液脳関門の破綻を支持するものである。アルツハイマー病における脳血管の炎症が脳実質へと波及し、脳萎縮・神経変性を誘導することでアルツハイマー病態を修飾しうるという仮説を支持する結果を得たと言える。血液脳関門の破綻を抑止することがアルツハイマー病の予防・治療ターゲットになりうることを提示した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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