研究概要 |
[臨床研究]1、データマイニング解析:これまで検討されてきたウイルス要因、臨床検査データ、臨床情報、薬剤投与量を加えて、多変量解析を行った結果、IL28B SNPが最も強く治療効果に関連する因子であった。2、新規SNPs候補の探索:メジャーアリルを持つ群でIFN反応群と無反応群でCase-control studyを再度行い、新規SNPs候補を探索しているが、これまでのところIL28B以外に有意なSNPは見つかっていない。3、簡便なSNPs測定法の開発と臨床応用:多数検体の処理に対応するために、有意なSNPsをターゲットにしたPrimer, probeセットを複数設定、Invader法やTaqMan法を用いた安価で簡便な測定を開発し、臨床応用している。4、IL28B mRNA定量系の確立:IL28A, B発現レベルを特異的に検出する系を開発した。 [基礎研究]1、IL28B遺伝子発現制御:(1)IL28B遺伝子周辺に存在するSNPsの影響:転写調節領域の2つのSNPsを導入したものでは転写活性が約60%に低下した。特に,(TA)_nのリピート配列を形成しているrs72258881の影響が強く,この配列長が長い場合は転写活性が高く,治療効果とも関連性が見られた。(2)エピジェネティック解析(分担:近藤):IL28のプロモーター近郊CpGがインプリンティングによる制御を受けている。2、IL28B機能解析:(1)各種IFNλとレセプターとの親和性及びISRE反応性の検討:検討中。(2)IL28B特異的機能の同定:IFN投与されたマイナータイプ及びメジャータイプをもつ人からPBMCを経時的に分離、ISGの発現をcDNAマイクロアレイで確認した(連携:藤田)。IFNλの受容体であるIL28RAのノックアウトマウス(KOマウス)やIFNα受容体のKOマウスを入手し、予備実験を開始した(分担:三好)
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