現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
われわれは、アンジオテンシンII(1000 ng/kg/min)を負荷して作成されるマウスに腹部大動脈瘤モデルを用いた。AMとアポリポプロテインEの両者を遺伝子改変させたマウス(AM+/- apoE-/- マウス)(n=29)と、アポリポプロテインE遺伝子のみの欠損マウス(apoE-/- マウス)(n=18)の死亡率、大動脈瘤発生率、瘤最大径について比較検討したが、統計学的に有意差は認められなかった(AM+/- apoE-/- マウス vs. apoE-/- マウス; 死亡率: 6.8% vs. 5.2%, p = 0.7959、大動脈瘤発生率: 34.6% vs. 44.4%, p=0.5103、瘤最大径: 1.17±0.1 mm vs. 1.39±0.2 mm, 中央値±標準誤差, p = 0.612)。次にアポリポプロテインE欠損マウスにおいて、アンジオテンシンII負荷による動脈瘤モデルマウスにリコンビナントAMを28日間持続投与して、瘤形成に及ぼす影響について比較検討した。しかし、死亡率、大動脈瘤の発生率、瘤最大径について、いずれも統計学的に有意差は認められなかった(AM投与なし群 n=18 vs. AM 300 ng/kg/hr 投与群 n=11 vs. AM 3000 ng/kg/hr 投与群 n=20; 死亡率: 5.2% vs. 0% vs. 20.0%, p=0.1410、大動脈瘤発生率: 44.4% vs. 36.4% vs. 27.2, p=0.6481、瘤最大径: 1.39±0.2 mm vs.1.33±0.2 mm vs. 1.22±0.2 mm, 中央値±標準誤差, p=0.8933)。各群間で差が見いだせなかった理由として、観察期間が短かったことが考えられた。
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