研究課題
学内の倫理委員会の承認を得たプロトコールに従って同意を得た患者から採血をおこない、様々な臨床状態における間質性肺炎患者の末梢血中の循環線維細胞(circulating fibrocyte)の同定とその疾患病態との比較を開始した。実際にはFicolを用いてmesenchymal cellの細胞を分離、一部は培養し、CD45 PE-Cy7により染色後、Cytoperm処理を行い、Anti-collagen-biotinとStreptavidin-FITCにより染色をほどこし、FACSにより同定した。その結果、正常対照者群にくらべ患者群ではばらつきが大きく、安定状態にある間質性肺炎患者では正常群に近いものの、急性増悪を起こした患者では3-7倍程度に循環線維細胞が増加し、ステロイド治療後にはまた減少する。さらに肺幹細胞の性質をもつCD45+CD133+細胞の同定をして比較すると、増悪後よりもむしろその治療後に増加していることを示す傾向が観察された。しかしその同定された細胞の組織における分布は、分化が亢進することによって評価できないことを確認した。これらの臨床上の評価は困難であることから、マウスを用いたブレオマイシン肺傷害モデルをもちいた実験系における循環線維細胞のみならず末梢血中のmiRNAと組織のmiRNAの肺線維化形成病態における変化が、新たな病態指標としてのバイオマーカーになりえないか、あらたに開発されたマウスSP-D抗体による値との比較や病理学的評価との比較もしつつ検討をおこない、臨床応用を試みた。これらの臨床・基礎的研究は、さらに継続して行う予定である。
2: おおむね順調に進展している
学内倫理委員会の承認を受けたプロトコールにそって同意を得た患者から臨床検体を得て循環線維細胞の同定をおこなって、病態との関連を比較することができた。またさらに、間質性肺炎病態の病態変化があきらかなブレオマイシン肺傷害もでるをもちいて末梢血中のmiRNAと肺組織病変内のmiRNAを比較し、新しいバイオマーカーとなりうるものを網羅的に検索している.
現在おしすすめている肺線維症病態を安定して評価できる実験動物モデルを用いて、新しい疾患バイオマーカーとなりうるmiRNAを探索する。その結果に基づきまた患者臨床検体の評価することによって、さらに臨床実用をめざす。この結果にもとづき、さらに治療効果や予後の評価に結び付けることが、本研究の最終目標である。
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