研究課題/領域番号 |
22390170
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
加藤 丈司 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (20274780)
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研究分担者 |
永田 さやか 宮崎大学, 医学部, 助教 (00452920)
桑迫 健二 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 准教授 (20381098)
北村 和雄 宮崎大学, 医学部, 教授 (50204912)
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キーワード | レニン・アンジオテンシン(RA)系 / 組織RA系 / プロアンジオテンシン-12 / アンジオテンシンI / アンジオテンシンII / 血漿レニン活性 / アルドステロン |
研究概要 |
レニン・アンジオテンシン(RA)系は、血圧・体液量の調節および高血圧や循環器・腎臓疾患の発症進展において極めて重要な役割を有している。これまでに組織RA系の重要性が指摘されてきたが、その生成機構や役割に関して未だ不明な点が多い。プロアンジオテンシン-12(proang-12)は、アンジオテンシンI(Ang I)のN末に2個のアミノ酸が付加されたアンジオテンシン関連ペプチドであり(Ang I-Leu-Tyr)、ラット組織より単離同定された。血中proang-12濃度は、Ang IおよびAng IIと比較して低値であるが、組織中濃度が高値であることから、proang-12が組織RA系の因子であることが想定されている。本研究では、proang-12の病態生理学的意義の解明を目的として、10週齢の雄性ウイスター系ラットを対象に低塩食(0.3% NaCl)で14日間飼育して(血中RA系亢進モデル)、血中と組織中proang-12、Ang I、Ang II濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)にて測定した。正塩食(0.7% NaCl)または高塩食(8% NaCl)飼育群と比較して、低塩食飼育群の血漿レニン活性とアルドステロン濃度は顕著に上昇し、血中および腎臓組織中のAng IおよびAng IIが上昇した。しかし、血中および腎臓組織中のproang-12濃度には3群間で有意な差が認められず、腎臓以外の主要な組織中のproang-12濃度にも3群間で明確な差は観察されなかった。すなわち、血中および組織中のproang-12濃度は、血中RA系および組織Ang IやAng IIとは異なる機序により調節されている可能性が示唆され、proang-12が組織RA系のペプチドであるという研究代表者らの仮説を支持する結果が得られた。
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