研究課題
レニン・アンジオテンシン(RA)系は、血圧・体液量の調節および高血圧や循環器・腎臓疾患の発症進展において極めて重要な役割を有している。これまでに組織RA系の重要性が指摘されてきたが、その生成機構や役割に関して未だ不明な点が多い。プロアンジオテンシン-12は、アンジオテンシンI(Ang I)のN末に2個のアミノ酸が付加されたアンジオテンシン関連ペプチドである。同ペプチドは、ラット組織より単離同定され、組織RA系の因子であると推測されている。本研究の目的は、プロアンジオテンシン-12関連ペプチドを単離同定して、これらのペプチドを介するレニン非依存性アンジオテンシンペプチド産生経路を明確にし、同ペプチド産生経路の病態生理学的意義を解明することである。本研究では、低塩食または高塩食により血中RA系を活性化または抑制したラット、RA系阻害薬投与高血圧ラット、組織レニン発現が増加している高血圧ラット等を用いて、血中および組織中のプロアンジオテンシン-12を定量した。その結果、プロアンジオテンシン-12の産生は、血中RA系非依存性に調節されており、同ペプチドが組織RA系の因子であるという研究代表者らの仮説を支持する知見を得た。また、プロアンジオテンシン-12の長時間持続的投与実験により、プロアンジオテンシン-12がアンジオテンシン変換酵素(ACE)の作用により、アンジオテンシンIIとなり、AT1受容体を介して昇圧、心肥大、アルドステロン分泌促進作用を発揮することが明確になった。以上より、プロアンジオテンシン-12は、ラット組織RA系の因子であり、アンジオテンシンIIの前駆体として機能している可能性が示された。今後、ヒトにおける同様のペプチド産生経路を明確にすることにより、レニン非依存性アンジオテンシンペプチド産生経路の病態生理学的意義がより明確にされると思われる。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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