研究課題/領域番号 |
22390180
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
下濱 俊 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60235687)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 神経変性疾患 / パーキンソン病 / アルツハイマー病 / 骨髄間葉系幹細胞 / 移植 / 治療 / 血液脳関門 |
研究概要 |
本研究では、自己骨髄幹細胞移植治療が難治性神経変性疾患の制圧に向けた治療体系の新たな選択肢になりうるか否かについて、疾患モデル動物を用いて徹底的に解析し、その効果発現メカニズムを詳細に解析することで、難治性神経変性疾患に対する新しい治療戦略を考案する。 神経細胞、アストロサイト、オリゴデンドロサイトへの分化能を有する骨髄間葉系幹細胞を移植細胞として用いた。市販のヒト骨髄間葉系幹細胞を使用した。 6-OHDA投与ラット:神経毒である6-hydroxydopamine(6-OHDA)をラット黒質あるいは線条体に微量注入しパーキンソン病モデル動物を作製した。6-OHDA投与ラットに上記の骨髄間葉系幹細胞を静脈内から移植し、ドーパミン神経障害に対する神経保護効果について解析した。具体的には、6-OHDA投与側のドーパミン神経が半側性に選択的神経細胞死を起こし、薬物誘発旋回運動が認められる。この旋回運動量を解析することで、ドーパミン神経細胞障害の重症度を評価した。その結果、骨髄間葉系幹細胞を静脈内から移植した群は対照群に比べて薬物誘発旋回運動の改善が認められた。また、ステレオロジーシステムを用いてドーパミン神経の生存率を三次元的に解析した。骨髄間葉系幹細胞を静脈内から移植した群は対照群に比べて黒質のドーパミン神経細胞の保護効果が認められた。 市販されているアルツハイマー病のトランスジェニックマウスを購入し、実験に使用できるように育成した。マウスに沈着するβアミロイドを組織学的に観察し、ニューロン、アストロサイトおよびミクログリアの反応性動態について時間経過で解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ計画通り進んでいる。論文作成の方向で進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
パーキンソン病モデルラットを用いた研究成果を論文としてまとめる。アルツハイマー病モデルマウスを用いた研究は時間がかかるが、着実に研究を進めて論文発表できるようにする。
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