研究課題/領域番号 |
22390183
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
山田 祐一郎 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60283610)
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研究分担者 |
藤田 浩樹 秋田大学, 医学部, 講師 (30333933)
月山 克史 秋田大学, 医学部, 准教授 (10359797)
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キーワード | 糖尿病 / 栄養学 / 生理活性 / インクレチン |
研究概要 |
消化管から分泌されるGIP(gastric inhibitory polypeptide)とGLP-1(glucagon-like peptide -1)は、食事量に応じたインスリンの追加分泌を促進する因子であるが、この作用以外にも多彩な生理作用・薬理作用を有しているが、その詳細はほとんどわかっていない。平成22年度から始まった本研究では、GIP受容体やGLP-1受容体の生体内での発現様式の検索をRT-PCR法やinsltu法で開始し、いずれの受容体も、膵臓以外に多くの組織で発現していた。これら膵外組織における役割を解明する目的に、受容体遺伝子欠損マウスの作製ならびに解析を進めている。具体的には、Akitaマウス(インスリン遺伝子の異常により膵β細胞の小胞体ストレスが生じ、膵β細胞数が減少する糖尿病モデル動物)と掛け合わせる、あるいは高脂肪食、カロリー制限など食餌を変更し、これらのインクレチンシグナルの欠如に伴いどのように生体機能が変化するかを身体計測・種々負荷試験に伴う血液尿検査・CTなどの画像解析・病理組織解析などにより解析するとともに、それらのマウスから得られた細胞(脂肪細胞、SVF、マクロファージ、骨芽細胞など)を培養して、インクレチンが細胞機能に及ぼす効果を検討している。このような研究のなかで、インクレチンの役割はGIPによる栄養素の蓄積作用、GLP-1によるストレス軽減作用に分けられるのではないかと示すデータを得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インクレチンのうち、当初計画していた膵β細胞・脂肪細胞・骨芽細胞に及ぼす作用の解析のうち、膵β細胞への検討がやや遅れているが、当初予定していなかったこれら三種類以外の細胞におけるインクレチンの役割の解析が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
インクレチンの生理活性について、動物モデルを用いたin vivoの解析、細胞を用いたin vitroの解析を引き続き進めることで、当初の仮説を実証する。
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