研究課題
本研究の第一の目的は、非侵襲的な膵島量の検知を行うために、MRIを用いた解析技術を開発することである。平成22年度は、まずプローブ非存在下での検討を行うために膵島の定位解析系を構築した。具体的には膵β細胞特異的に蛍光タンパクのGFPを発現する遺伝子改変マウスより摘出した膵臓の断片をアガロースゲルに包埋し、蛍光実体顕微鏡で三次元的に観察して膵島の位置を決定し、位置決定した膵島について動物用超高磁場MRIを用いて種々の撮像条件で撮像実験を行った。しかしながら、膵島と周囲の外分泌組織を明瞭に画像化する条件を見つけることはできなかった。そこで、プローブ存在下での検討に移行した。先行研究で開発した様々な膵β細胞のイメージングプローブ化合物候補の内、GLP-1受容体のリガンドであるExendin(9-39)を^<19>Fで標識した化合物は、予備試験で行った^<19>F MRSのファントム実験でシグナルを認めており、また初期の検討で2.1×10^4個のマウスより単離した膵島への暴露実験でも微弱ではあるがシグナルを認めていたため、再度確認実験を行った。その結果、ファントム実験では常にシグナルを検出することができたが、単離膵島を用いた検討では、安定した結果が得られなかった。原因として、これまで使用していた膵島分離用の消化酵素が販売中止となり、新たに別の消化酵素を用いるようになったことが疑われた。至適分離条件検討した上で膵島分離行なったが、従来の酵素と消化状態が異なるために外分泌組織の混入が著明に多くなった。この問題は今後のプローブ開発の上では大きな問題であるため、解決のために様々な検討をおこなった。最終的に、比重遠心前に新たな処理段階を設けることで膵外分泌組織がほとんど混入しない条件を決定できた。
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