研究課題
骨髄巨核球(Mgk)の分化初期段階からマーキングし、骨髄におけるMgk産生ニッチを可視化し、Mgk産生過程を解析することとした。マウス骨髄細胞においてMgkの比較的後期分化マーカーとされるCD42bの発現を解析したところ、これまで発現が確認されていなかったcommon myeloid progenitor(CMP)の一部がCD42bを発現していることを見いだした。また、CD42b陽性CMP細胞は高い巨核球コロニー形成能を有していた。これまでMgkの前駆細胞はCD34陰性の前駆細胞分画であるmegakaryocyte-erythroid progenitor(MEP)にあるとされていたが、今回の結果はこの説を覆すとともに、CD42bが初期Mgk前駆細胞のマーキングに適していることを示唆している。そこでCD42bプロモーター下でDsRedを発現させるコンストラクトを作製し、Mgk分化能を有するHEL細胞およびMgk分化能を有さないJurkat細胞に導入し、分化に伴ってレポーター遺伝子が発現するかを確認した。その結果、HEL細胞に導入し、トロンボポエチン(TPO)により分化を誘導したときのみ、フローサイトメトリーでDsRedの発現が見られた。このレポータープラスミドからCD42b-DsRed発現ユニットを切り出し、トランスジェニックマウスを作製する準備を進めている。一方、TPO受容体であるMpl遺伝子ノックアウトマウスMpl-/-およびNotchシグナル分子RBP-JKを造血幹細胞で欠損させるマウスRBPf/f・Mx-Creのコロニーを作製した。またマウスTPOの中和抗体を大量に入手した。現在交配を進め、Mpl-/-・RBPf/f・Mx-Creマウスを作製している。またTPO中和抗体をRBPf/f・Mx-Creに投与後、pIpCにより造血幹細胞レベルでNotchシグナルをオフにした際のMgk系細胞の産生障害について解析を行う予定である。
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