研究課題/領域番号 |
22390194
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
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研究分担者 |
水木 満佐央 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (80283761)
織谷 健司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70324762)
柴山 浩彦 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60346202)
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キーワード | アナモルシン / 造血幹細胞 / 造血支持細胞 / 鉄・硫黄クラスター |
研究概要 |
本研究は、申請者らが単離したアナモルシン(AM)の抗アポトーシス作用や細胞増殖促進作用の分子機序ならびに正常造血における詳細な役割や造血障害の発症機構との関連を明らかにすることを目的とする。 申請者らは、Yeast-two-hybrid法を用いてAMと結合する分子として、PICOTをクローニングした。AMのyeast homologであるDre2とPICOTのyeast homologのGrx3/4が鉄・硫黄クラスター蛋白であることが相次いで報告され、AMもPICOTと結合し、鉄・硫黄クラスター蛋白として機能していると考えられた。 本年度は、主に、AMKOマウスから作成したMEF細胞や胎児肝細胞などを用いて、酬の鉄・硫黄クラスター蛋白としての機能を検討した。まず、IRP-1の発現およびアコニターゼ活性などを調べたところ、AMKO細胞では、IRP-1の発現低下およびアコニターゼ活性の低下が認められ、また、AMKO細胞にAMを発現させたところ、IRP-1の発現およびアコニターゼ活性が回復した。さらに、AMKO細胞でのROSの蓄積などを検討したところ、H_2O_2の添加により、WT細胞と比較して、AMKO細胞では、容易にROSが蓄積し、細胞のアポトーシス誘導が認められた。 近年、鉄・硫黄クラスター蛋白は、細胞内のエネルギー代謝、細胞周期制御、DNA修復等に関わる様々な酵素活性に重要であることが明らかにされている。さらに、PICOTがPKCの活性を抑制することから、AM/PICOTが形成する鉄・硫黄クラスター蛋白は、PKCを含むシグナル伝達分子の活性制御に関与する可能性が考えられた。今後は、造血幹細胞を含む造血細胞におけるシグナル伝達分子への鉄・硫黄クラスター蛋白の作用について検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アナモルシンが、PICOTとともに、鉄・硫黄クラスター蛋白を構成する分子として、機能していることを明らかにした。PICOTが、PKCの活性を抑制すると報告されていることから、アナモルシン/PICOTの鉄・硫黄クラスター蛋白は、PKCを含むシグナル伝達分子の機能を制御するという、これまでに報告されていない新規の鉄・硫黄クラスター蛋白の機能を世界に先駆けてみいだした可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
造血幹細胞を含む造血細胞におけるアナモルシン/PICOTの鉄・硫黄クラスター蛋白のシグナル伝達分子の活性制御作用について、アナモルシン遺伝子改変マウス(ノックアウトマウスおよびトランスジェニックマウス)を用いて解析する。 また、アナモルシンノックアウトマウスは胎生後期に致死となる。成体でのアナモルシンの機能を解析するため、コンディショナルノックアウトマウスを作成する予定である。
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