研究課題
基盤研究(B)
本研究は、以前に見出した関節リウマチ(RA)の自己抗体である抗カルパスタチン抗体と抗 FRP 抗体の対応抗原がいずれも関節炎抑制作用を示したことから、これらの自己抗体が RA の発症と増悪に関与する病原性自己抗体ではないかと考え、これら自己抗原および自己抗体の制御によって関節炎を治療できる可能性を追求した。カルパイン(カルシウム依存性中性プロテアーゼ)の特異的インヒビターであるカルパスタチンは線維芽細胞の IL-6 産生を抑制するだけでなく、T 細胞分化にも影響することが判明し、特に Th17 細胞分化・活性化を強く制御した。フォリスタチン関連蛋白(FRP)はヒトとマウスで炎症の制御に関して異なる働きを有する可能性が示唆されていたが、 CD14-TLR4 シグナルを介する作用により自然免疫系で炎症を惹起することが示された。これらの炎症制御蛋白の解析により関節炎病態の理解と新たな治療法開発の可能性が示唆される。
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