研究課題/領域番号 |
22390209
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
遠藤 文夫 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (00176801)
|
研究分担者 |
中村 公俊 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (30336234)
松本 志郎 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (70467992)
|
キーワード | 幹分離法 / 内胚葉幹細胞 / 唾液腺 / 膵臓 / 肝臓 |
研究概要 |
(1)唾液由来内胚葉幹細胞作成 本研究ではまずブタにおいて内胚葉系幹細胞を採取する方法を確立した。結紮前のブタ(生後4週、7kg、LWD種)の唾液腺組織は、PAS陽性の分泌細胞とPAS陰性の導管上皮細胞群から構成されている。主導管結紮後、2週間経過するとPAS陽性分泌細胞は8割程度脱落し、PAS陰性細胞の増加及び小型の上皮細胞が出現した。このような状態の唾液腺から内胚葉幹細胞を分離した。ヒトへの採取技術を応用し、ヒト由来の細胞の採取を考えると、導管を結紮しない状態で幹細胞の採取の条件を確立する必要があった。そこで結紮しない動物での分離を次に試みた。その結果、同様に細胞質内ラミニン陽性、CD49f陽性細胞を採取することができた。これには培養直後の細胞密度の調整が必要であること、そして培養面から浮遊してくる細胞を採取し携帯培養することが必要であることを明らかにした。 (2)採取した細胞の分化誘導 採取した唾液腺から得た細胞を分散後、GLP1を加えた培地に懸濁しプレート上に播種した。96 well U-plateへ分注12時間後には、全てのwellにてスフェロイドボディの形成が認められた。その中にインスリン陽性細胞が存在していた。スフェロイドボディを形成する細胞の3割がインスリン陽性細胞であった。 (3)ヒト唾液腺を用いた検討 ヒト唾液腺からは当然非結紮唾液腺を用いた検討をおこなった。細胞の分散採取後、付着系細胞とした培養することができた。これらの細胞はこれまで報告してきたような細胞質内ラミニン陽性、CD49f陽性細胞を分離することができた。これらの細胞を用いて分化誘導の検討を進めている。これまでのところ、膵臓内分泌細胞への分化については確認していないが肝臓前駆細胞への分化については確認できている。
|