研究課題/領域番号 |
22390215
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
高橋 尚人 自治医科大学, 医学部, 准教授 (50197159)
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キーワード | 遺伝子 / 免疫学 / 新生児 / サイトカイン / 遺伝子多型 |
研究概要 |
本研究は慢性肺疾患(CLD)、脳室周囲白質軟化症(PVL)、感染症など免疫応答が病態に関わると予想される新生児疾患を対象として、サイトカインを中心とした免疫応答の面から解析を行い、今後の治療に役立てようというものである。自治医大、獨協医大、東京女子医大の共同研究で、4年間でCLD80例、PVL20例、感染症50例を目標としており、23年度末、サイトカインについて63検体、転写因子・遺伝子発現について47検体、遺伝子多型については36検体の検体収集を終え、一部解析も行っている。 22年度に引き続き、特徴的ないくつかの症例について報告をした。まず、単純ヘルペスウイルス感染のHemophagocytic Lymphohistiocytosis(HLH)症例のサイトカイン経過を論文報告した。次に、世界初例と考えられる母体SSA抗体陽性例でのHLH例のサイトカインプロファイルを学会発表し、論文投稿中である。 CLDについては、発症児に高サイトカイン血症が長期に持続していることを確認し、それらの症例への吸入ステロイド療法の効果について、現在、論文作成中である。 また、23年度から、抑制性サイトカインTGF-βの周産期における役割に着目し、臍帯血を用いて解析を行った。その結果について、24年度の小児科学会で発表予定である。また、最近の新生児疾患とサイトカインについての報告のreviewを小児科学会雑誌に総説として掲載した。 遺伝子多型解析については、当初の計画を変更し、10種類の遺伝子多型を解析することとしたが、23年度、その準備を進め、倫理申請を行い、承認を得られている。 23年度終了時点で、研究代表者が他施設に異動になったため、異動後も研究継続が可能になるように手続きを行い、今後、異動先およびその関連施設でも、さらに多くの症例の検体が得られるようにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共同研究での検体収集が進んでいること、およびすでにいくつかの症例の論文報告ができていることから、おおむね順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝子多型解析について、早産児疾患でのその影響については、小規模かつ少数の遺伝子多型のみの解析では、あまり意義のある結果が得られないとする報告が続いている。この点に鑑み、22-23年度にかけて、遺伝子多型の種類を増やし検討することに研究計画を変更した。今後、症例数をできるだけ多くすることが望まれるが、代表者が所属を異動したこともあり、その異動先および関連施設でも倫理申請を行い、症例数の増加をはかりたいと考えている。
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