研究課題/領域番号 |
22390215
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 尚人 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (50197159)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 遺伝子 / 免疫学 / 新生児 / サイトカイン / 遺伝子多型 |
研究概要 |
本研究は自治医大、獨協医大、東京女子医大の新生児集中治療部の共同研究で、慢性肺疾患(CLD)、感染症など免疫応答が病態に関わると予想される新生児疾患を対象として、サイトカインを中心とした免疫応答の面から解析を行うものである。 23年度に引き続き、特徴的な症例については、世界初例と考えられる母体SSA抗体陽性例でのHLH例のサイトカインプロファイルを論文発表した。CLDについては、発症児に高サイトカイン血症が長期に持続していることを確認し、それらの症例への吸入ステロイド療法の効果について、MCP-1は低下させるが、IL-6、IL-8は高値が持続し、末梢血白血球の核内転写因子に大きな変化を及ぼさないことを日本未熟児新生児学会で発表し、現在、論文化をめざしている。また、23年度から、抑制性サイトカインTGF-βの周産期における役割に着目し、臍帯血を用いて解析を行った。その結果について、24年度の小児科学会で発表した。また、最近の新生児疾患とサイトカインについての報告のreviewを「小児科診療」に総説として掲載した。 遺伝子多型解析については、当初の計画を変更し、10種類の多型に増やし、RT-PCR法で解析することとしているが、23年度終了時点で、研究代表者が自治医大から東大に異動になったため、現在さらに多くの症例の検体が得られるように検体収集中である。今後、解析し研究最終年度に報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者の異動により、遺伝子多型解析のための検体収集と解析に遅れが見られている。ただし、サイトカイン測定、転写因子測定は順調に進んでおり、学会発表を行い、論文化も進めている段階である。また、すでにいくつかの症例の論文報告ができていることを合わせ、おおむね順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝子多型解析については、小規模かつ少数の遺伝子多型のみの解析では、あまり意義のある結果が得られないとする報告が続いていることから、測定方法をRT-PCR法とし、10遺伝子多型を解析することにした。今後、症例数をできるだけ多くすることが望まれるが、代表者が所属を異動したこともあり、症例数の増加をはかっているが、やや遅れが見られている。必要であれば、共同する都内の他の施設を検討したいと考えている。
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