研究概要 |
母胎間白血病抑制因子(LIF)シグナルリレーでは,母体側LIFが胎盤栄養膜細胞から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌を誘導し,これが胎児赤芽球から再びLIFの分泌を誘導する。胎児側で分泌されたLIFは大脳において,インスリン様成長因子1または2を介して大脳皮質形成を促進していることが明らかとなった。さらに,母体からのLIFシグナルにより胎盤から誘導される副腎皮質刺激ホルモンが,胎児側のLIFのソースである胎児赤芽球の分化調節に関与していることが明らかとなった。これらの結果より,母胎間LIFシグナルリレーが胎児大脳と赤血球の発生を同期的に調節している可能性が示された。
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