Atg5 KOマウスの作成。Atg5遺伝子をloxP配列ではさみこんだAtg5^<flox/flox>マウスとK5プロモーターで発現するK5-Creマウスを交配することにより、K5-Cre/Atg5^<flox/+>マウスを得た。このマウスを再度Atg5^<flox/flox>マウスと交配することによりK5-Cre/Atg5^<flox/flox>マウスを作成した。このマウスは表皮角化細胞特異的Atg5 KOマウスとなる。Geno-typeはマウスの尾を切断し、genomic DNAを精製し、これをテンプレートとして、各々特異的プライマーを用いたPCR法を行うことにより確認した。 作成したAtg5 KOマウスにおいて、皮膚びらん、潰瘍、皮膚肥厚などの外観上の異常がないかどうか確認した。その結果、新生児期においてAtg5 KOマウスはコントロールと比較して明らかに小型であり、りんせつを付着していたことから、表皮分化異常の可能性がある。パラフィンの病理組織標本を作製した。 オートファゴゾームの形成確認にはLC-GFPを用いた。角化細胞にLC-GFPをトランスフェクトするためにLenti virus vectorを作成した。LC-GFPを角化細胞にトランスフェクトし、LCが発現することを蛍光顕微鏡下に確認した。 また、分化刺激自体でもオートファジーが誘導される可能性があることから、分化刺激後にオートファジーが誘導されるかどうかどうか確認した。分化誘導にはpoly-HEMA coated dishを用いたsuspension cultureを行った。タンパクを経時的にタンパクを回収し、Western blotを施行した。その結果suspension cultureによる分化誘導時に、LC3-IIの発現が増強しており、分化によりオートファジーが誘導されることを明らかにした。
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