研究概要 |
平成22年度に引き続いて表皮角化細胞特異的なAtg5ノックアウトマウスを作成した。Atg5^<flox/flox>マウスとK5プロモーターで発現するK5-Creマウスを交配することにより、K5-Cre/Atg5^<flox/+>マウスを得た。このマウスを再度海Atg5^<flox/flox>マウスと交配することによりK5-Cre/Atg5^<flox/flox>マウスを作成した。まず、作成したHEによる病理組織標本を観察した。顆粒層の消失も予想されたが、HE染色による明ちかな分化異常は確認できなかった。ついで、パラフィン切片を分化マーカーであるKeratin 1,Keratin 10,Keratin 5,keratin 14,Loricrinで免疫組織染色したが、明らかな分化マーカーの発現異常は認められなかった。細菌刺激によるオートファジーの誘導を検討した。黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌株それぞれ、3株を65度40分熱処理し不活化後、培養のヒト角化細胞に添加し、タンパクの発現はWestern blot法、mRNA発現はRT-PCR法にて検討した。その結果サイトカイン発現増強は認められたものの、明かなLC3-IIの発現増強は認められなかった。ついで、TLR-2,TLR-4のリガンドであるペプチドグリカン、LPSで角化細胞を刺激し、Western blot法にて検討した。刺激により、LC3-IIの発現増強が認められた。さらにオートファゴゾームの形成確認にはLC-GFPを用いた。Lenti virus vectorを用いて、角化細胞にLC-GFPをトランスフェクト後、ペプチドグリカン、LPSで角化細胞を刺激すると、蛍光顕微鏡下でオートファゴゾームの形成が確認できた。
|