研究概要 |
オートファジーは細胞質内にある物質を分解するシステムであるが、細胞質内に侵入した微生物を排除する可能性もある。そこで、本研究では表皮角化細胞のオートファジーが自然免疫に関与するかどうか検討した。培養角化細胞を用いた検討では、分化、飢餓状態でオートファジーが誘導された。さらに自然免疫に関与するかどうか明かにするために、TLRリガンドで刺激するとオートファジーを誘導できることを明かにした。Atg5 KOマウスではLC3の発現に明かな異常は認めなかった。 培養ヒト角化細胞を刺激後、LC3の免疫染色を行い蛍光顕微鏡下にオートファゴゾームの形成を確認した。あるいは、Western blotにてオートファジーの誘導を確認した。 Suspension culture, confluentの状態、あるいはVD3で分化を誘導した。その結果分化誘導により角化細胞ではオートファジーが誘導されることが分かった。 培養液を通常の培地からPBSに変更することにより細胞を飢餓状態にさらし、オートファジーが誘導できるかどうか検討した。その結果、細胞内にオートファゴゾームの形成が30分後より観察でき、飢餓状態によりオートファジーが誘導されることが明かとなった。 病原体由来成分のCpGDNA, LPS, PGNで角化細胞を刺激後、オートファジーが誘導されるかどうか検討した。その結果、いずれの刺激でもオートファジーが誘導され、病原体刺激により角化細胞はオートファジーを誘導することが明かとなった。
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