研究課題/領域番号 |
22390229
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
近藤 隆 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (40143937)
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研究分担者 |
高崎 一朗 富山大学, 生命科学先端研究センター, 助教 (00397176)
田渕 圭章 富山大学, 生命科学先端研究センター, 准教授 (20322109)
趙 慶利 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (90313593)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | ハイパーサーミア / アポトーシス / 放射線 / 超音波 / TAK1 / Chk1 |
研究概要 |
温熱が放射線と同様、G2/M期における細胞周期の停止を起こすが、その分子機構については不明である。放射線や抗がん剤におるG2/M 停止は主に、DNA損傷を起点としたATR-Chk1の活性化と、ATM-Chk2の活性化により引き起こされるが、温熱によるATR-Chk1の活性化やG2/M arrestへの関与はこれまで検討されてない。ヒトリンパ腫細胞株Jurkatを44℃で30分処理後、ATRのリン酸化を検討したところ、活性化の指標であるATR Ser428部位のリン酸化は温熱処理直後から観察され、ATM Ser1981部位のリン酸化よりも早かった。下流のエフェクター分子であるChk1やChk2についても同様に、Chk1のSer345部位のリン酸化は温熱処理直後から起こるが、Chk2のThr68部位のリン酸化はわずかであった。Chk1リン酸化はKu55933処理でわずかに減少するが、シザンドリンBやCGK733の前処理により大幅に減少したことから、温熱によるChk1リン酸化についても、ATMよりATR依存的である。温熱処理12時間後で、G2期の割合は対照と比較して約10%増えたが、Chk1阻害剤SB218078前処理やChk1を標的としたsiRNAの導入により、対照とほぼ同程度となった。一方、Chk1を抑制群ではSubG1期の細胞の割合が増えたことから、チェックポイント機構の破綻により細胞死が誘発されたと考えられる。この現象はHeLa細胞や前立腺癌細胞株PC3、ヒト口腔扁平上皮癌細胞株HSC-3でも同様に認められた。このことから、ATR-Chk1経路が、温熱処理した細胞において、G2/M期での細胞周期停止と細胞生存の促進に関与していることが明らかとなった。放射線については、TAK1の分子標的としての可能性を示し、超音波については、DNA損傷応答に関する知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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