| 研究課題/領域番号 |
22390236
|
|---|
| 研究機関 | 札幌医科大学 |
|---|
研究代表者 |
藤井 博匡 札幌医科大学, 医療人育成センター, 教授 (70209013)
|
|---|
| キーワード | EPR / MRI / 生理機能 / 酸素 / 酸化ストレス |
|---|
| 研究概要 |
本研究課題では、高速化したEPRイメージング装置とニトロキシド分子などを造影剤・イメージングプローベとして利用し、生体機能を可視化する新しいイメージング研究法の開発を目指すものである。本研究課題では三つのプロジェクトを掲げており、昨年度は、プロジェクト1:「高速EPRイメージングシステムによる高分解能イメージング化の実証」研究を行い、EPRイメージング法の高速化を磁場掃引速度の加速化により達成した。今年度はプロジェクト2:「高速化されたEPRイメージング装置を用い、病態モデル動物での酸化ストレスの画像評価法の確立」を行い、病態評価が可能か、創薬研究に貢献できるか、についての評価を実施した。
(1)病態モデル動物の作成について:脳梗塞モデル動物(中大動脈閉塞によるモデル)と、脳炎症モデル動物(リポポリサッカリドを腹腔内や、脳実質内に投与して炎症を起こさせるモデル)を作成することが出来た。
(2)病態モデル動物を用いた酸化ストレスの評価について:脳内の酸化ストレス状態を画像化するために脳内・脳外全域に分布するナイトロオキシドであるHMPを用いて、EPRイメージング画像を経時的に記録した。0.15秒スキャン、181プロジェクションでの条件で、約30秒ごとに三次元画像を取得することが出来た。これらの経時的データから二次元画像をとりだし、HMPの半減期マップであるレドックスマップを作成した。これらのレドックスマップから、炎症状態の持続性やその状態変化、更には、抗炎症薬による炎症効果を画像として評価することが出来た。
今後は、この視覚評価をさらに定量評価に活用する。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究成果は、当初計画したように、おおむね進んでいる。計画した項目は順調にこなせている。
|
| 今後の研究の推進方策 |
本研究課題では、EPRイメージング装置の高速化、さらには、本装置を用いて、病態モデル動物を活用した病態モニタリング研究を実施している。
今後は、本装置をさらに発展させ、生体機能、生理機能の視覚化、へ挑戦していく。研究計画は当初計画した通りの予定で進行中である。
|
