研究課題/領域番号 |
22390239
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
犬伏 正幸 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 主任研究員 (70399830)
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研究分担者 |
佐賀 恒夫 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, プログラムリーダー (40273445)
山原 研一 独立行政法人国立循環器病研究センター, 再生医療部, 室長 (50450888)
梨井 康 独立行政法人国立成育医療研究センター―, RI管理室, 室長 (60321890)
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キーワード | 循環器 / 分子イメージング / 遺伝子治療 / 再生治療 / 心臓移植 |
研究概要 |
平成23年度以降は、3年間で3つのテーマ研究のin vivoイメージング実験を実施する。各テーマ約1年かかると見込まれるため、初年度半ば頃に準備が整ったテーマから順に前倒しで開始し、最終年度の半ばには実験を終了して成果のまとめに専念したいと考えている。具体的内容:テーマ2「骨髄幹細胞による心筋再生治療のための分子イメージング研究」(犬伏・山原)では、放射線医学総合研究所(以下、放医研)において作成した、恒常的プロモータによって常発現するヒトNIS遺伝子を導入したトランスジェニックマウス(以下、NIS-Tgマウス)を本テーマで用いるために、SPF化した上で国立循環器病研究センター(以下、国循)に分与して交配を開始した。現在、順調に繁殖している。このNIS-Tgマウスから間葉系幹細胞を採取・培養して増殖させ、様々な細胞数の幹細胞をヌードマウスの皮下に移植し、小動物用SPECT/CT装置と99mTcO4-を用いてin vivo分子イメージングを行った。その結果、最少で1x10^6個の幹細胞を体内で検出することに成功した。テーマ3「長時間臓器保存可能な心臓移植のための分子イメージング研究」(犬伏・梨井)では、摘出した移植心の新しい高圧乾燥保存法を評価するために、まずは、ヒトでの心臓移植で実際に用いられているUniversity of Wisconsin(UW)保存液で移植心を保存するマイルドな陽性対照群と、心臓を摘出してから保存無しで直ちに移植する陰性対照群について検討を行った。その結果、前者において[18F]FDG PET/CTが早期から非常に高い感度で心筋障害を検出することが明らかとなった。意義・重要性:これらの成果を踏まえて来年度、テーマ2では、このNIS-Tgマウスから脂肪由来幹細胞および卵膜由来幹細胞を採取して培養し、心筋梗塞モデル動物に移植してイメージングするとともに、治療効果を判定する。これにより、幹細胞による心筋再生医療の効果機序を解明するとともに、臨床応用に向けた問題点の解決を図る。テーマ3では、新しい高圧乾燥保存法により保存した群を作製し、今年度のUW液保存群と心筋障害の程度を比較する。これにより、新しい高圧乾燥保存法を評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4年間の本研究計画のうち前半が経過したが、この2年間で特に重要な研究成果として、学会発表6件、雑誌論文1本を発表した。また、本研究成果に関するwebページを所属研究機関が作成して公開した。
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今後の研究の推進方策 |
研究開始時に研究分担者は5名だった。2年目以降、想定外の2名の退職に伴って研究分担者が3名に減ったが、所属研究機関から人的支援の無いことが研究遂行上の問題点となっている。優先順位をつけて効率よく進める。
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