研究課題/領域番号 |
22390239
|
研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
犬伏 正幸 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 主任研究員 (70399830)
|
研究分担者 |
佐賀 恒夫 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, プログラムリーダー (40273445)
山原 研一 独立行政法人国立循環器病研究センター, 再生医療部, 室長 (50450888)
梨井 康 独立行政法人国立成育医療研究センター, RI管理室, 室長 (60321890)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 分子イメージング |
研究概要 |
本研究課題は、(1)血管新生遺伝子治療のための分子イメージング研究、(2)骨髄幹細胞による心筋再生医療のための分子イメージング研究、(3)長時間臓器保存可能な心臓移植のための分子イメージング研究、という3つのテーマの小動物in vivoイメージング研究を実施するものである。成果の具体的内容:テーマ(1)については、心筋梗塞モデルラットに対して血管新生遺伝子治療を行い、その治療効果を10週間もの長期間追跡した結果、HGF遺伝子単独では成熟した整な微小血管を誘導することができないことを、核医学レポーター遺伝子hNISを用いて証明した。この成果はGene Therapy誌にて論文発表した。テーマ(2)については、hNISを常発現させた幹細胞をシート上に配列し、心筋梗塞モデルラットに移植し、Tc-99m/ Tl-201の2核種同時収集SPECTイメージングによって、移植した幹細胞の追跡を試みた。この成果は世界分子イメージング会議と日本薬学会にて学会発表した。テーマ(3)については、高圧のCO/O2混合ガスの元でラットから摘出した心臓を乾燥保存し、48時間後に別のラットの頚部に異所性心臓移植することによって心拍再開させることに成功し、さらにFDG-PETおよび屠殺後の病理検査によって移植心臓の機能評価を行った。この成果は論文にまとめ、Transplantation誌に現在投稿中である。意義・重要性:臨床に近い生きたままの状態の小動物モデルを用いて、循環器の最先端治療の有効性を評価することができたのは、大変有意義であったと思う。これらの成果は、より安全で有効な臨床応用を推進するために重要な役割を果たすと期待される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4年間の本研究計画のうち3年が経過した。平成24年度は年度途中で研究代表者が研究機関を異動し、研究の遂行を一時停止せざるをえない時期があったにも関わらず、この3年間で特に重要な研究成果として、学会発表8件、雑誌論文1本を発表し、雑誌論文1本を投稿中である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策としては、本研究課題は次年度が最終年度となるため、必要最低限の追加実験を行いつつ、これまでの研究結果をまとめ、成果を公表することを中心とする。研究を遂行する上での問題点としては、本研究代表者はH24年度途中に研究機関を異動したが、すでに事業期間が終了した別の科学研究費補助金によって本研究代表者が購入して前研究機関に寄付していた備品を本研究代表者に無償返還してもらうことが、前研究機関の規程によって叶わず、それらの備品を今後再び購入しなければならないことである。研究者としては、補助金ごとの研究内容の切り分けについては充分に理解した上で、研究課題を1つずつ積み上げながら大きな学問体系に取り組んでいるので、すでに事業期間が終了した補助事業によって購入した備品と言えども、研究機関に無償で寄付した備品を有償で買い戻さなければならないことは到底納得できない。このような備品の取り扱いについても、科研費の使用ルールできちんと定めて頂ければと願う。
|