研究課題/領域番号 |
22390240
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研究機関 | 独立行政法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
藤井 博史 独立行政法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, 部長 (80218982)
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研究分担者 |
河野 良介 独立行政法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, 研究員 (20392227)
徳植 公一 東京医科大学, 医学部, 教授 (00334061)
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キーワード | センチネルリンパ節 / SPECT / 高精度放射線治療 |
研究概要 |
センチネルリンパ節内の小転移病巣を評価する方法として、superparamagnetic iron oxide(SPIO)MRI造影剤を用いた高分解能MRIによる所属リンパ節領域の撮像を検討したが、非転移性腫大リンパ節においてもSPIOは不均一な分布を示し、あたかもリンパ節内に転移病巣があるかの様な所見を呈した。病理組織学的検討から、非腫瘍性腫大リンパ節内でもSPIOを貪食するマクロファージの分布が不均一に分布しており、これが偽陽性所見の原因となっていることが考えられた。このため、^<99m>Tc標識コロイドを用いたセンチネルリンパ節シンチグラフィで同定したセンチネルリンパ節をSPIO投与高分解能MRIで精査するだけでは、小リンパ節転移を高い正診率で診断することが難しいことが明らかとなった。 腫瘍内性状の不均一性を加味した重み付け高精度放射線治療技術については、陽子線治療におけるペンシルビームを用いたスポットスキャニング照射法に改良を加え、より詳細な線量分布を実現しつつある。シミュレーションにより線量分布の精度の改善が確認できたため、ファントム実験での線量分布の精度の確認を開始した。 腫瘍内性状の評価については、低酸素イメージングプローブやα_vβ_3インテグリンに親和性を示すRGDを^<111>Inで標識したプローブを用いて、SPECT検査による腫瘍内低酸素領域の局在や血管新生について検討を進め、これらのプローブの腫瘍内不均一分布を可視化できるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SPIO製剤を用いて、センチネルリンパ節内の小リンパ節転移を検出しようとする検査法において、偽陽性率が高いことが分かり、検討方法の見直しを迫られている。
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今後の研究の推進方策 |
センチネルリンパ節内の小転移病巣の診断に関しては、SPIOを用いる方法だけでなく、センチネルリンパ節内の黄疫現象についての検討を加えるなどして、診断精度改善の工夫を行う。 腫瘍内性状の不均一性を加味した重み付け高精度放射線治療技術については、研究計画を遂行し、線量分布の精度の一層の改善を図る。
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