研究課題/領域番号 |
22390244
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小山 博之 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10241994)
|
研究分担者 |
三浦 裕 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40557980)
宮田 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70190791)
木村 秀生 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60327070)
|
キーワード | 血管新生 / 再生組織 / 栄養血管 / スフェロイド / 膵島移植 |
研究概要 |
再生臓器に対する栄養血管網付与のための基盤技術として、H22年度は血管新生誘導ゲルによるスフェロイドへの血管網誘導技術の開発に取り組んだ。 1. 血管誘導ゲルとともに移植したスフェロイドの経時的なviabilityの検討 ルシフェラーゼ遺伝子を導入したマウス胎児線維芽細胞(500個)でスフェロイドを作成し、このスフェロイド400粒を血管新生誘導ゲルとともにヌードラット筋膜下に移植した。移植後12日目までIVIS測定機を用いて経時的にルシフェラーゼ発現を測定した所、移植直後から全経過を通じて有意な発現の低下を認めなかった。これに対してスフェロイドのみを移植した対象群では、ルシフェラーゼ発現は移植後3日目には検出不可能なレベルにまで低下した。また血管新生誘導ゲルとともに移植した後、5日目におけるスフェロイドの組織切片では、スフェロイド周囲に豊富な血管網の誘導が認められた。これらより血管新生誘導ゲルの併用によりスフェロイド周囲に血管網が誘導され、良好な生着を促した事が示唆された。 2. ゲルとともに移植したスフェロイドの再生臓器としての機能の検討 GFPラットより肝細胞を採取してスフェロイドを作成し、血管新生誘導ゲルとともにヌードラットに移植し、移植後7日目及び14日目に標本を回収した。組織標本の抗GFP染色では、肝スフェロイドの良好な生着を認めた。また抗CYP450染色では、生着した肝スフェロイドのほとんどがCYP450陽性であり、肝細胞としての酵素誘導機能が示された。 3. 血管誘導技術の膵島移植への応用 上記技術の膵島移植への応用を試みた。ストレプトゾトシン投与で作成した糖尿病ヌードラットに対して、同系ラットの膵島1000粒を血管新生誘導ゲルとともに移植した。10匹のモデルに対して移植を実施したが、組織標本で膵島の生着は確認されたものの、糖尿病の治癒に至ったものは1匹のみであった。
|