研究課題/領域番号 |
22390251
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
安波 洋一 福岡大学, 医学部, 教授 (00166521)
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研究分担者 |
岩本 隆宏 福岡大学, 医学部, 教授 (20300973)
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キーワード | 1型糖尿病 / 膵島移植 / 移植膵島障害 |
研究概要 |
臨床膵島移植の現在の最も重要な課題は一人のインスリン依存糖尿病レシピエントの治療に2-3回の膵島移植、すなわち2-3人分のドナーを必要とする非効率性が上げられる。この課題は膵島移植特有の問題で、現在までの我々の研究成果で移植後早期(24時間以内)に発現する移植膵島細胞死に起因していることが判明している。本研究ではこの課題に関し、新規制御法を見出すことを目的とした。昨年度までの研究で移植早期膵島細胞死に低酸素状態が関与していることを明らかにした。また、新たに開発した低酸素下培養単離膵島細胞死のin vitroモデルを用いて、その細胞死にNa^+/Ca^<2+>交換体(NCX)が関与し、NCXの特異的インヒビターにより制御できることを明らかにしている。平成23年度は以下の知見が得られた。 #1.NCX isoformの解析により、膵島β細胞には主にNCX1が発現していることを分子生物学的、免疫組織学的に明らかにした。 #2.NCX1KOマウスは胎生致死であり、実験にはNCX1+1-,マウスインスリンプロモーターにNCXIgeneを組み込んだトランスジェニックマウスを使用した。NCX1+みならびにNCX1Tgマウスの単離膵島を用いてin vitroならびにin vivo膵島移植実験のドナーとして用い、移植膵島障害に於けるNCX1の役割を明らかにできた。 #3.NCXインヒビターによる同種異系移植膵島障害の制御が可能であることを明らかにした。 #4.サル膵島にNCXが発現していることを免疫組織学的に明らかにできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画した研究は問題なく順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の方策として、最終年度はヒト膵島を用いた実験を米国研究者(City of Hope)と平成24年5月より開始し、年度内に終了予定である。特に問題点はなく、成果が得られると考えている。ヒト膵島に関する研究終了後に論文発表の予定にしている。
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