研究課題
膵・胆道癌は画像診断・外科手術・抗がん剤治療・放射線治療の発達した現在においても極めて難治な癌であり、免疫治療は大いに期待される分野である。平成21年度から倫理委員会の承認を得て「化学療法抵抗性の進行・再発膵癌に対するWT1ペプチドを用いた免疫治療パイロット研究(UMIN000001515)」を32名の患者に実施し、通常であれば3-6か月と考えられる生存期間中央値が、全身状態が良好な場合にワクチン投与後8か月と期待できる成果が上がった。患者末梢血のWT1特異的CTLおよび抑制型T細胞をFACScanにて測定し、臨床効果との相関を検討した。膵癌、IPMN、膵内分泌腫瘍におけるWT1の免疫組織学的発現を検討した。大阪大学、慈恵医科大学などと共同で、「切除不能進行膵臓癌に対するゲムシタビン併用WT1ペプチドワクチン化学免疫療法とゲムシタビン単独療法のランダム化第II相臨床試験多施設共同研究(UMIN000005248)」を開始し、切除不能進行膵癌に対する初回治療として症例を集積中(平成23年度の登録5例)である。東北大学細胞プロセッシングセンターを用い、GMPグレードでの活性型樹状細胞αDC1の培養技術を確立した。
2: おおむね順調に進展している
ジェムザールWT1併用療法とジェムザール単独療法の無作為比較第II相試験のリクルートは順調に推移している。また、膵腫瘍におけるWT1の免疫染色による検討、樹状細胞の培養方法の確立は順調に推移している。
無作為比較第II相試験をひきつづき推進する。膵・胆道腫瘍における腫瘍特異的抗原としてのWT1発現解析を進める。患者末梢血中のWT1特異的キラーT細胞、抑制型T細胞と臨床効果の相関を検討する。SEREX法、Proteomix法による膵・胆道癌特異的な腫瘍抗原の同定を行う。
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