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2011 年度 実績報告書

新規大腸癌転移マウスモデル実験系の構築と臓器特異的転移関連バイオマーカーの同定

研究課題

研究課題/領域番号 22390257
研究機関広島大学

研究代表者

檜井 孝夫  広島大学, 病院, 講師 (10444689)

キーワード大腸癌マウスモデル / バイオマーカー
研究概要

腸上皮細胞特異的ホメオボックズ転写因子CDX2の消化管癌における発現機構解析の過程で、CDX2のプロモーター領域に腸上皮特異的転写活性領域を同定し、それを利用したコンディショナルノックアウトマウスを作製して、2種類の新規大腸癌マウスモデルの作製に取り組んできた。大腸上皮特異的転写活性配列であるCDX2P9.5kbを利用して大腸上皮特異的Apcコンディショナルノックアウトマウス(CPC;Apc^<+/loxP>、ヘテロ)と、マイクロサテライト不安定性を利用した新規の発現誘導型Apcコンディショナルノックアウトマウス(CDX2P-G22-Cre;Apc^<loxP/loxP>、ホモ)を作製して、発生した腫瘍性病変の形態および遺伝子変異の解析を行った。CPC;Apc^<+/loxP>マウスでは、ApcのLOHにより遠位大腸に5-8個大腸癌が発生し、ヒト左側大腸癌のモデルとして有用と思われた。300日齢のマウス36匹中6匹(17%)で、粘膜下浸潤癌を認めた。広範囲でのDNAメチル化と異数性(aneuploidy)が認められた。またCDX2P-G22-Cre;Apc^<loxP/loxP>マウスでは、マイクロサテライト不安定性に依存して近位大腸に発生した腫瘍が粘膜下に浸潤し、ヒト右側結腸癌のモデルとして有用と思われた。ほぼ全例が30日齢までに腫瘍死した。大腸上皮細胞特異的プロモーターを利用してadenoma-carcinoma sequence型の左側結腸癌モデルとマイクロサテライト不安定性に依存してde novoに発生する右側結腸癌モデルが確立された。これらのモデルにApc+K-Ras変異型のダブルノックアウトモデルを作製し、腫瘍の構築、網羅的遺伝子解析を行っている。これらのモデルは発癌機構の解明のみならず、癌幹細胞、および微小環境や免疫応答についての幅広い研究に有用であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CPC;Apcマウス、CDX2P-G22-Cre;Apc^<loxP/loxP>、の作製を行い、再現性を確認した。現在、K-Ras変異型+Apcのダブルノックアウトマウスの作製中である。他のダブルノックアウトマウスも順調に確立されてきている。

今後の研究の推進方策

K-Ras変異型+Apcのダブルノックアウトマウスの作製中であるが、同時に他のダブルノックアウトマウスも順調に確立されてきており、これらから新しいphenotypeが観察されたり、それらの標的遺伝子を網羅的遺伝子解析によって同定できる可能性がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of patients likely to benefit from metastasectomy in stage IV colorectal cancer2012

    • 著者名/発表者名
      Shimomur M
    • 雑誌名

      International Journal of Colorectal Disease

      巻: (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] トランスレーショナルリサーチに有用な右側および左側結腸進行癌マウスモデルの構築:臓器特異的Apcコンディショナル・ノックアウトマウスの作製とその臨床応用2011

    • 著者名/発表者名
      檜井孝夫
    • 学会等名
      日本外科学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-05-25

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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