研究課題
クラニアルウインドウ法を用いて血管網を有するヒト型高次肝組織を生体内において再構築し、組織再構築過程における細胞間相互作用や血流因子の解析、構築組織の評価を行った。Kusabira Orangeを導入したヒト血管内皮細胞(KO-HUVEC)・ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hMSC)とEGFPを導入したヒト胎児肝細胞(EGFP-hFLC)をコラーゲンゲル内ではなくマトリゲル上に共培養することにより、足場材料非依存的に立体的な肝臓の原基(肝芽)を誘導することができた。今年はこの肝芽をクラニアルウインドウ内に移植し観察を行った。移植された肝芽は生着し、コラーゲンゲル内で共培養した時と同様に、HUVECが血管網を組織内で形成し、数日でHUVECからなる微小血管網に宿主よりの血流が蛍光色素のトレーサーの静注により観察できた。移植後60日目に肝芽を摘出し、構築された組織の性質を解析した。組織標本では肝細胞索様の構造が観察でき、パラフィン切片、及び、whole mount免疫染色ではアルブミン以外にCK8,18、肝組織のマーカーhepatocyte specific antigen、ASGR1、成熟肝組織に認められる接着分子ZO-1、デスミン、4型コラーゲンが認められ、組織内に構築された血管にはヒトCD31, SMAの発現が認められた。電顕の観察でもヒト成熟肝組織の構造を有していることが確認できた。摘出した肝芽からマウスH2Kdを発現していないヒト細胞をFACSにて分離し、アルブミンとAFPの発現を、更にFACSにて確認したところ、アルブミン単独陽性細胞は27.5%でアルブミンAFP共に陽性の細胞は4.4%であり、成熟した肝組織のパターンと似ていることが確認された。今後このモデルは微小血管網を伴った高次機能を発揮可能な移植用組織の開発や、創薬開発のプラットホームにできる可能性がある。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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