研究課題/領域番号 |
22390265
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
南方 謙二 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60539675)
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研究分担者 |
池田 義 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40281092)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
山原 研一 独立行政法人国立循環器病研究センター, その他部局等, その他 (50450888)
丸井 晃 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60402856)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | miRNA / 虚血性心疾患 / 冠動脈バイパス術 / 血管平滑筋 |
研究概要 |
虚血性疾患に対する外科的バイパス術後の移植血管の劣化や、ステント治療後の再狭窄などは、平滑筋増殖による内膜肥厚などの血管リモデリングが原因となっている。今回われわれが注目したミクロRNA(miRNA)は標的とするメッセンジャーRNAを阻害することにより遺伝子発現を阻害し、一つのmiRNAで類似する複数の遺伝子発現を阻害できる特徴がある。本研究では、miRNA-145が平滑筋増殖抑制に特異的に作用する性質を利用して、血管リモデリングの制御に有効であることを検証した。方法として、miRNA-145をエレクトロポレーション法にてウサギ頸動脈バイパスモデルに応用し、グラフト内膜肥厚抑制効果を評価した。日本白ウサギ頸動脈を、下記2群に分けて自家頚静脈グラフトにてバイパス置換し4週間後の内膜/中膜面積比を計測して内膜肥厚抑制効果を比較検討した。コントロール群:遺伝子導入なし、miR-145群:miR-145発現プラスミドをエレクトロポレーション法にて自家静脈グラフトに遺伝子導入した群。また同時にSM-1およびSM-2(平滑筋分化の指標)、Ki-67(細胞増殖の指標)にて免疫染色を行い両群間で比較検討した。4週間後の内膜/中膜面積比は有意にmiR-145群で小さかった(1.129+/-0.233 vs 0.216+/-0.043 p<0.01)。またSM-1およびSM-2免疫染色においてもmiR-145群において増殖型が抑制されていると考えられた。Ki-67を用いた免疫染色でもmiR-145群において内膜肥厚部の細胞増殖が抑制されていた。これらの結果から、血管平滑筋フェノタイプを制御できるmiR-145を自家静脈グラフトへ遺伝子導入することで静脈グラフトの開存率を改善でき、さらにはウイルスを用いない遺伝子導入法により基礎研究段階から臨床応用への可能性も拡がったと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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