研究課題/領域番号 |
22390271
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
饗庭 了 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (70184025)
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研究分担者 |
四津 良平 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30129738)
梅澤 明弘 国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 部長 (70213486)
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キーワード | 重症心不全 / 細胞治療 / 細胞バンキング / 細胞バリデーション / 人工心臓 / 細胞培養 / 前臨床研究 |
研究概要 |
脳死移植法が施行されて以来、成人の重症心不全に対しては心臓移植が行われるようになっているが、小児に関しては海外に頼らなければならない状況が続いている。また、小児用人工心臓も本邦では使用可能とはなっていない。小児を取り巻く環境は、成人における重症心不全の治療として、心臓移植、人工心臓治療、更には再生医療などが臨床において実施されているのとは対照的である。本研究においては、現在の使用可能なリソースを用いて、現状の法体系のもとで、可及的速やかに小児心不全の新しい治療体系を確立することを目標とする。小児重症心不全に対して、人工心臓治療・細胞治療・細胞バンキングシステムの3領域を研究開発し、有機的に融合・昇華させることで、現状では日本で行えない心臓移植に代わりうる新しい治療体系を構築する。小児に対する人工心臓治療、胎盤もしくは羊膜由来細胞をドナー細胞とする移植治療、これら細胞のバンキングシステムのいずれもが、完全に未着手の領域である。現在の研究基盤の延長線上にそれらをより強化することにより、治療選択肢の限られた小児心不全に対する強力な治療戦略を創出することができる。本年度は前年度に引き続き、小児重症心不全の人工心臓治療に用いる細胞のバリデーションとそれらのバリデーションされた細胞(胎盤・羊膜由来細胞)を用いた動物実験、胎盤・羊膜由来細胞のバンキングを行った。前年度に構築したブタの実験系を用いて、細胞移植における細胞漏出と、中心壊死が起こらない効率的な移植・生着の検討を行った。これらの基盤技術は、細胞のバリデーションとともに欠くことのできない重要なものであり、平成24年度以降も引き続き検討していくべき課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞のバンキングは順調に推移しており、その細胞の特性解析に関しても順調である。ブタを用いた研究も継続的に行われているので、実験全般にわたり滞りはない。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画は順調に推移しており、計画の変更等は必要ない。
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