研究課題/領域番号 |
22390275
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00201046)
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研究分担者 |
平田 雅之 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (30372626)
齋藤 洋一 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 特任教授 (20252661)
橋本 直哉 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90315945)
貴島 晴彦 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10332743)
後藤 哲 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80533801)
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キーワード | 脳溝 / 神経接続性 / 皮質脳波 / コヒーレンス / ファイバートラッキング |
研究概要 |
解剖MRI画像を用いて、脳溝三次元形状を抽出し、CADソフトウェア上で脳溝の深さや長さ等の解剖学的特徴を計測した。その結果、特に手の領域周囲の脳溝形状には、ほとんど個人差が認められないことが明らかになった。また、SEFの反応と中心溝の形状との比較に関しても、反応を認める解剖学的位置の一致を認め、これに関しても個人差が大きくはないことが明らかとなった。これらは、解剖学的な形状を客観的に定量化することで、機能局在を知ることができることを示唆している。 さらに、拡散テンソル画像を用いてファイバートラッキングを行うことで、皮質問の接続線維を視覚化することができた。被験者と患者で比較検討を行った。健常者群では運動やと感覚野とを接続する神経線維があるのに対して、脳溝内に腫瘍性病変があるが感覚野は温存されている3症例では、DTIのFA値の低下を中心溝深部の白質に認め、運動野と感覚野を接続する神経線維の描出の低下を認めた。これらの症例では、脳磁図の感覚刺激によるSEF反応で、N20の一次反応を認めるものの、それ以降の反応は低下していた。このように白質の変化による影響で一時感覚野から、他の脳回への情報伝播が阻害されていることが明らかになった。これらは、脳の形状とそれらの伝播経路との関係を明らかにするとともに、脳の接続性と反応の伝播メカニズムを明らかにする点で重要である。さらに、今後、健常被験者及び患者における計測を継続し、詳細な信号解析を行っていく。 また、患者1名については、三次元脳溝形状の高密度硬膜下電極の試作を行った。被験者のMRIから、まず脳溝抽出ソフトで脳溝を自動抽出した。これを、三次元のCADソフト3-Maticで整形処理し、型を三次元プリンターで作成した。このことにより、高密度で脳溝内に挿入することができる密着型の高密度(従来比16倍密度)電極の試作品に初めて成功した。
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