研究課題/領域番号 |
22390275
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00201046)
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研究分担者 |
平田 雅之 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (30372626)
齋藤 洋一 大阪大学, 産学連携本部, 特任教授(常勤) (20252661)
橋本 直哉 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90315945)
貴島 晴彦 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10332743)
後藤 哲 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80533801)
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キーワード | 脳溝 / 神経接続性 / 皮質脳波 / コヒーレンス / ファイバートラッキング |
研究概要 |
平成23年度に実施した研究の主な成果を以下に挙げる。 (1)脳溝内形態解析 これまでに健常者10名を対象にして、thin slice MRIを計測し、脳溝自動抽出ソフトを利用して中心溝を抽出した。脳溝形状に関して各種パラメーターを設定して比較検討を行っている。これらのデータの処理に関してはデータベースを作成し、数値統計解析が一括処理できる環境を確立した。抽出した脳溝データの3次元的定量解析には本研究費で購入した3maticとmimicsを併用している。 (2)脳磁図解析および皮質脳波解析 健常者10名を対象として160ch全頭型脳磁計を用いて単語黙読中の脳律動を計測し、beamforming法を用いたグループ解析を行った。その結果、これまで64ch脳磁計で認められたθ~lowγ帯域の脳律動変化に加えて、highγ帯域の同期反応をBroca領域に限局性に認めた。硬膜下電極を留置したてんかん患者においても脳磁図計測、皮質脳波計測双方でhighγ帯域の同期反応をBroca領域に限局性に認め、この領域を皮質電気刺激すると失語症状が出現し、highγ帯域の同期活動が運動性言語機能領野を正確に示すことが示唆された。 (3)3次元高密度脳溝内電極の開発環境確立 脳溝内形態解析で確立した脳溝抽出・形状処理技術を応用して、電極シートを脳溝計上自動抽出、型を3次元CADで設計した後に3Dプリンタで作成し、その型からシリコーンシートを作成する開発環境を構築した。この開発環境には本研究費で購入した3maticとmimicsを併用している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画にあげた、脳溝自動抽出による脳溝内形態解析、脳磁図解析、硬膜下電極による皮質脳波解析、脳溝内に挿入可能でかつ脳溝にフィットする3次元形状両面グリッド電極の開発、ともに予定通り研究を進めている。これに加えて当初計画になかった脳溝自動抽出からデータベース化、解析までを統合した解析環境を構築できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、開発した解析環境を活用して、中心溝を中心に脳溝機能解剖の解明を進める。脳磁図解析に関しては言語課題に加えて、運動課題も行い中心溝の機能解剖の解析を進める。
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